アジア太平洋の若年労働者、変化をもたらすために協力を強化

2021年7月8日

アジア太平洋地域の若い労働組合員100人以上が、6月23日にバーチャル地域青年会議を開催。若年労働者が直面する課題を克服し、組合と職場で構造的変化をもたらすために協力強化を約束した。

青年たちは、さまざまな国の若い労働組合員の経験を共有して組織化、コミュニケーション、団体交渉の最優良事例を学び、青年組合機構の余地を作ることの重要性を強調した。これは組合活動への青年の参加を促進し、過去の過ちを繰り返さないようにする。

若年労働者は労働組合内部のジェネレーションギャップに言及し、この断絶を埋めるために青年委員会の増設による組合機構の改革を要求。先輩の指導者に対し、将来の指導者と過去の闘いを共有するよう促した。ミャンマーの組合代表が、軍事政権下で若年労働者が直面している窮状を訴えた。

フィリピンのリシャー・イグロバイが、フィリピンの労働組合は権利と過去の闘いに関して若年労働者を教育するための訓練モジュールを開発していると述べた。

タイ産業労働組合総連合(CILT)の青年指導者ビパワンが次のように述べた。

「CILTは、この課題を克服するために、より多くの若い組合指導者を全国執行委員会に登用し、各種の活動に参加して能力を伸ばす機会を広げた」

南アジア諸国では、契約労働者が大半を占めているため、若年労働者にとってインフォーマル化が最大の課題となっている。労働組合に加入すれば解雇される恐れがあるため、不安定性は若年労働者に不安を与えている。

バングラデシュから参加したトミザ・スルタナが、若い労働組合員は若年労働者の雇用を監督し、企業に労働法を厳守させなければならないと述べた。インドのアモル・パティルが、労働者に適切な労働法教育を施すべきだと述べた。パキスタンの労働組合員タノリが、グローバル枠組み協定を利用して雇用保障を確保するよう促した。

女性組合活動家は会議参加者に対し、若い女性労働者が直面している問題に注意を払うよう求めた。例えば、文化的な偏見から無能であるとか地位が低いとみなされたり、職場で暴力や嫌がらせに遭ったりしていることであり、これは精神衛生上の問題の原因となっている。

パキスタンのムハンマド・アシュファク・カーンは、労働組合が若年労働者を対象にジェンダー平等訓練を実施するよう勧めた。別の参加者は、青年委員会に加えて女性委員会も設置し、女性労働者の懸念を提起しなければならないと示唆した。参加者たちはインダストリオールのコミュニケーション・チームと協議を行い、TikTokなどのソーシャルメディア・プラットフォームの効果的利用や、若年労働者を教育して組合の価値を認識させるためのビジュアルコンテンツ制作を検討した。

インダストリオール・グローバルユニオン青年コーディネーターのサラ・フローレスが次のように述べた。

「インダストリオールは国際産業別組織として、国家・地域・世界レベルの努力をまとめながら、青年労働者の声を広げようと努めている。若年労働者の貢献を認めることは労働組合にとって重要であり、世界の若者の60%以上が生活しているアジア太平洋地域ではなおさらだ。インダストリオールにとって、労働者の意見を主張して彼らが生活している世界に影響を与えることが重要だ」

それぞれ南アジア、東南アジア・インダストリオール地域事務所所長のアプールヴァ・カイワールとアニー・アドビエントがこう述べた。

「青年は次世代のインダストリオール指導者だ。組合組織への若者参画につながる青年方針の要求は重要であり、正当、タイムリーかつ適切なものである。若者の能力強化と権利拡大へのロードマップは、アジア太平洋地域の2つの地域事務所の優先課題だ」