参加しなければ何も始まらない――労働組合、グラスゴーのCOP26に向けて出発

2021年10月28日

グローバルな労働組合員代表団が、世界気候会議で公正な移行の要求を強く打ち出すためにグラスゴーへ向かっている。

11月1-12日にスコットランドのグラスゴーでCOP26(第26回締約国会議)が開かれる。この国連気候変動枠組条約会議では、気候変動と闘うために各国政府が国際環境条約への取り組みについて交渉する。

COP26で各国政府は、2015年のCOP21でパリ気候協定の一環として約束した2050年までのネットゼロ達成に向けて、更新された気候計画――各国が自主的に決定する約束(NDC)――を発表する。ネットゼロは、大気圏に入る温室効果ガスが除去される温室効果ガスと相殺されるために、地球温暖化が止まる状態である。

ネットゼロの達成は世界経済の根本的な再編を意味し、COP協議がうまくいけば、これを達成するための資金が供給される。各国は持続可能な開発目標のために満たすべきターゲットも定めており、その多くはネットゼロ目標と重なる。富裕国は、グローバルサウスを脱炭素化するための資金提供も約束している。

労働組合は、この転換がこの惑星で生活の質を守るために必要であることを認識しており、この移行を公正なものとするよう要求している。労働者に代償を払わせてはならない。

労働組合は、2008年のCOP14からオブザーバーとして参加を許可されている。組合はパリ気候協定への公正な移行の包含を求めて運動し、2018年にポーランド・カトウィツェのCOP24で、公正な移行に関するシレジア宣言が採択された。これは組合の重要な勝利であった。

公正な移行に関するILO原則は、労働組合をはじめとする社会的活動主体の積極的な貢献により、公正な移行計画をNDCに統合する必要があると明記している。しかし、インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合が先ごろ共催したウェビナー「COP26への道――産業・エネルギー・鉱山労働者、公正な移行を要求」の参加者は、レトリックと現実に不一致があると指摘した。

多くの出席者が、鉱山の閉鎖、化石燃料からのシフト、製造業の変化が原因で、数百万人が失業するという現状や見通しの具体例を挙げた。政治家は数百万人のグリーン雇用が失業を埋め合わせるという幸運を約束しているが、詳細は示されていない。その雇用がどこで生まれ、誰がその雇用に就けるのか判然としない。政府はこれらの新規雇用について信頼できる計画を策定していないし、その仕事を遂行するための労働者の訓練にも着手していない。

英国政府で公正な移行を主導しているケイト・ジェームズが会議で発言、この問題を認め、鍵は地元の労働組合が積極的に政策立案に関与し、政府・使用者に責任を負わせるために団結して影響力を行使することだと述べた。

「転換が迫っている」と彼女は述べた。「未来を押しつけられるよりも、自分たちで未来を設計するほうがいい」

ITUC気候政策担当役員のバート・デ・ウェルが、英国政府はこの会合の期待を下げようとし、科学的に必要なことよりも政治的に好ましいことに焦点を合わせていると述べた。しかし、排出曲線を正しい方向に曲げるつもりなら、いま野心的な気候目標が必要である。デ・ウェルは、COP26に向けたグローバルな労働運動の主要優先課題を発表した。すなわち、公正な移行、人権・労働権、気候資金、産業政策・投資を伴う気候野心である。

この会議では共同宣言を採択、COVID-19パンデミック対策は十分な資金による協調的な世界的行動が可能であることを示したと述べ、公正な移行の実現を要求した。

インダストリオールのダイアナ・ジュンケラ・キュリエル・エネルギー担当部長は次のように述べた。

「世界は途方もない転換を経験している。根本的に経済を変革して脱炭素化するために、莫大な資金が費やされる。これは正しく利用すれば、新しいグリーンなインフラによって再工業化し、何百万人もの良質な組合雇用を創出する機会だ。組合は世界・国家両レベルで、政策立案において積極的な役割を果たす必要がある」

「私たちは意見を述べるためにグラスゴーへ行く」