労働組合、COP26に参加――実行したこと、達成したこと、いま焦点を当てる必要があること

2021年11月18日

インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合の代表を含む労働組合代議員は、グラスゴーのCOP26で2週間にわたって熱心にロビー活動と組織化を行い、労働者の問題を気候会議の議題に盛り込ませようと努めた。

労働組合は2008年からCOPに出席しており、結束して結果に影響を与える能力が年々高まっている。組合代表団は準備万端でグラスゴーにやってきた。労働組合は交渉者に働きかけ、統一して対応できるようにし、連合体やネットワークを構築した。組合はブルーゾーン(COP26の公式開催地)内外で、多くの行事や会合に参加した。

ブルーゾーンに入るために、代議員は公式パスを提示し、毎日COVID検査を受け、セキュリティーで長蛇の列(一般的に毎朝1時間)に耐える必要があった。組合代表団は毎朝の会合とWhatsAppグループで文書や実務情報を共有し、活動を調整した。

ブルーゾーンに入るために並ぶ代議員たち

ブルーゾーンの外では、労働組合を含む市民社会組織で構成されるCOP26連合がカウンターサミットを開催し、約200の行事が行われた。組合は個別サイドイベントもいくつか企画した。

非常に多くの行事があったため、代議員は焦点を当てる重要分野を選んだ。インダストリオールにとって、主要な優先課題は公正な移行に関する確固たる約束の達成だった。COPの典型的な1日には、ブルーゾーン内部と市全域で会合が開かれた。

例えば11月3日、インダストリオールはブルーゾーンで2つの会合に参加した――公正な移行とディーセント・ワークに関するILO作業部会と、同じテーマに関するITUCサイドイベントである。

11月4日にはブルーゾーンでエネルギーの日が行われ、南アフリカのエネルギー部門の脱炭素化計画が発表された。ITUCのシャラン・バロウは、この計画を「手本とする必要があるモデル」と呼んだ。

午後には、両インダストリオールの主催により、イギリスの加盟組織ユナイト・ザ・ユニオンの事務所でハイブリッド型会議が開かれ、公正な移行の最優良事例を開発した。直接およびオンラインで約150人が参加し、さまざまな国の多くの例を共有した。

ユナイト事務所での代議員たち

11月5日金曜日には、フライデー・フォー・フューチャーの気候変動学校ストライキが市内を行進してジョージスクエアに集まり、インダストリオール加盟組織GMBのスト中の廃棄物処理作業員を含む組合代表団が合流した。

その翌日には、10万人の抗議者が身を切るような寒さと激しく打ちつける雨をものともせず、気候の公平性を求める世界行動デーに市内を行進し、世界中の都市のデモ参加者に加わった。このデモには大きな労働組合と労働者ブロックが参加し、ケルビングローブ公園からグラスゴーグリーンまで行進した。

その日の夕方、ITUCとインダストリオール、ノルウェーの総連合LO、スコットランド労働組合会議(STUC)が会合を招集、エネルギー部門(特に石油・ガス)の公正な移行をめぐって議論し、ここでインダストリオールは公正な移行に関するグローバル協定について交渉するという案を提案した。

労働組合代表団は11月7日、ストラスクライド大学で丸一日の戦略会議を開催した。この日はグローバル・ユニオンとSTUC、TUC両ナショナルセンターの上級幹部が情報を提供した。

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合のコリーナ・ジーロルドとインダストリオール・グローバルユニオンのダイアナ・ジュンケラ・キュリエル

会合と会合の間に、代議員は急いで交渉をフォローし、文書を更新し、レポートを書かなければならなかった。そのため、インターネット接続とデバイス充電用の電源があるワークスペース探しが優先事項となった。ブルーゾーンは非常に混み合って騒々しかったので、多くの場合、適切なスペースがあれば市内のどこであれ働いた。

11月10日には両インダストリオールが、ブルーゾーンの欧州パビリオンで共同サイドイベントを開催し、公正な移行の実現に必要な措置について話し合った。場所の確保が難しく、主催者が確認したところによると、パビリオンで開催された労働組合の行事はこれだけだったため、このイベントは極めて重要だった。

公式会合だけでなく、代議員は政府閣僚とも会談してロビー活動を行い、市民社会の代表と会合を開いた。新しい友好関係や仕事上の関係を作り、アイデアを共有した。

会談が時間を超過すると、労働組合は11月13日土曜日の午後11時45分まで最終本会議への接続を維持した。労働組合プロスペクトのリチャード・ハーディーがグローバルな労働運動を代表して締めくくりの言葉を述べ、世界の指導者たちが十分な野心を示さなかったことに失望を表明した。

不十分なグラスゴー気候合意にもかかわらず、組合は、組合による働きかけが成功し、労働組合の主要な要求を軸に勢いづいていると感じた。

COP代議員を務めたインダストリオールのダイアナ・ジュンケラ・キュリエル・エネルギー担当部長が今後の方針について話し、次のように述べた。

「私たちの前途には大きな任務が待ち受けている――各国が公正な移行の誓約を果たし、移行に投資される資金が組合員のためになるようにする必要がある。最善の結果を達成するために、協調的かつグローバルに対応しなければならない」

「つまり、加盟組織に関与して、COPの約束がどのように各組織に影響を与えそうか説明するとともに、できる限り結果に影響を与えるために準備をする手助けをしなければならない」

「私たちにとって重要なテストケースは、南アフリカのエスコムのための脱炭素化資金だ。これをうまく達成できれば、組合協定と影響を受ける全労働者にとって公正な移行により、至るところで利用できる重要なテンプレートが生まれる」

「私たちは世界史上重要な転換点にいる。危険な気候変動の防止にはまだ間に合うが、きわどいところだ。強力な連合を構築すれば、各国政府に、市場が技術的な解決策を考えてくれることを望むのではなく、未来に投資しようという野心を持たせることができる」

「私たちは、すべての人のためにより良い世界を構築することができる」