組合の勝利――ジャカルタで最低賃金引き上げ

2022年1月26日

ジャカルタ首都圏で2022年の最低賃金が5.1%引き上げられるという発表は、インドネシアの組合にとって大きな意味のある勝利である。

インドネシア労働組合総連合(KSPI)は、12月に全国デモを組織し、インドネシア経営者協会(APINDO)による0.8%、インドネシア中央政府による1.09%という州別最低賃金の増額案を拒否した。

組合による一連の抗議を受けて、アニス・バスウェダン・ジャカルタ知事は、2022年にジャカルタの最低賃金を5.1%(464万インドネシア・ルピー(323米ドル)相当)引き上げると発表した。

新しい賃金は合理的だ、とアニス知事は主張した。パンデミック前のジャカルタの平均最低賃金増額率は8%だったので、これなら使用者が対応できる。ジャカルタ政府は労働者のために公正を確保し、購買力を高めなければならない、と知事は述べた。

「私たちは知事の決定を称賛し、使用者団体に対し、寛大に引き上げを受け入れるよう促す。5.1%の増額は人々の購買力を高めるので、労使双方に利益を与える」とKPSI会長でインドネシア金属労連(FSPMI)全国会議議長のサイド・イクバルは言う。

KSPIによると、雇用創出法は違憲であるという憲法裁判所の判決の結果、州別最低賃金を決定する中央政府の権限は限られている。

APINDOは、ジャカルタ知事の決定に対して訴訟を起こした。しかし、インドネシアの分権的賃金決定制度では、使用者には市長が決定した新しい最低賃金を受け入れる法的義務がある。

「加盟組織FSPMIも加わっているKSPIの偉業を祝福する。インドネシアの政府と使用者は、COVID-19を口実に使って、景気回復の最中に最低賃金を抑えることをやめるべきだ。世界銀行は、2022年のインドネシアのGDP成長率を5.2%と予測している」と岩井伸哉インダストリオール東南アジア地域事務所所長は言う。

現在、他州のKSPIおよびFSPMI加盟組織も、各州知事に最低賃金の5.1%増額案を提出している。