ベラルーシの裁判所、組合幹部に対する不当判決を支持

2018年11月12日

ミンスク市裁判所は11月9日、ベラルーシの労働組合幹部2人に対する有罪判決を支持する決定を下した。原判決は不当であるとして広く非難されている。

組合や市民社会組織の関係者約150人と外国大使館代表が駆けつけ、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織REPの幹部、ゲナディ・フェディニッチとイハル・コムリクへの支援と連帯を表明した。部屋の収容人数が原因で、法廷審問には100人しか出席できなかった。

この上告審は、今年8月24日にミンスク市のソベツキー地方裁判所が下した評決の取り消しを求める両組合幹部の要求に基づいて開かれた。

不公正な裁判が行われ、説得力のある証拠もない中で、2人の幹部は大規模な脱税で有罪判決を受け、4万7,560ベラルーシ・ルーブル(2万3,000米ドル超)という多額の罰金の支払いを命じられている。2人は過料とともに裁判費用も全額負担しなければならない。加えて、執行猶予付き拘禁刑4年、5年間の上級ポスト就任禁止も言い渡されている。

13日間の裁判は世間の大きな注目を集め、ベラルーシ国内外で成り行きが注視された。審問にはインダストリオール代表が出席し、裁判の定期報告がインダストリオール・ウェブサイトに掲載された。

この事件は、同労組が2011~2012年に受け取ったとされる違法な国際援助の告発に基づいている。政府当局は、両幹部が援助金を政府に登録せず、援助収入にかかる税金を支払わなかったとして告発した。

その審問の数多くの目撃者によると、裁判で提出された証拠のほとんどは、ベラルーシの法的規範に違反して用意または収集されたと見られるものや、当該期間に関係のないものだった。証人の中には、心理的圧力をかけられて証言を強要されたと明言した者もいる。

たとえ裁判で両組合幹部に対する告発を立証できても、国際援助の受領それ自体を違反とみなすことはできない。外国援助を寄付、受領および利用する権利は、ベラルーシが批准済みの結社の自由および団結権の保護に関するILO第87号条約の第5条および第6条に定められているからである。

2002年、ILOはベラルーシ政府に対し、国の法令を修正し、国内の労働者・使用者団体が妥当な目的で国際的な労働者・使用者団体から財政援助を受けられるようにすることを勧告した。残念ながら、勧告の採択から14年が経過していながら、ベラルーシの労働組合はいまだに外国援助を自由に利用することができず、組合内部の問題への干渉を受けている。

ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は次のように述べた。

「上訴を却下して不当な評決を失効させないというミンスク市裁判所の決定により、ベラルーシ当局は、この国に正義が存在することを証明し、国際社会との関係を再開する機会を逃してしまった。両組合幹部に対する多額の罰金と指導者ポスト就任禁止は明らかに、ベラルーシの加盟組合REPの活動を弱体化を狙っている」

「ゲナディ・フェディニッチとイハル・コムリクが置かれている過酷な状況を踏まえて、私たちは2人を政治犯とみなしている。正義が行き渡るまで、2人を解放させ、ベラルーシ政府に圧力をかけて労働者の権利と人権の侵害をやめさせるために、できる限りのことをする所存だ」