ブリヂストン・グローバル・ネットワーク、長年にわたる安全衛生の取り組みをさらに強化

世界最大のタイヤ企業ブリヂストンの主要労働組合は、長年にわたって共同行動を調整し、安全衛生に特に焦点を当てている。

インダストリオール・ブリヂストン・グローバル・ネットワーク運営委員会は、2019年6月11~12日に南アフリカのヨハネスブルグで18回目の年次活動を実施した。

グループの慣習に従って、運営委員会の議長は、インダストリオール・グローバルユニオンの重要な加盟組織である日本ゴム産業労働組合連合(ゴム連合)が務めている。日本のブリヂストン労働組合が一連の会合を組織・調整しており、日本および同社のその他の重要拠点で毎年交互に開催されている。(

工場訪問

南アフリカの両ブリヂストン工場はインダストリオール加盟組織の南アフリカ全国金属労組(NUMSA)が組織化しており、NUMSAは今年の活動のホストとして、近くのブリッツ工場を訪れて経営陣と交流する活動を計画した。同工場は766人の労働者を雇用しており、現地のNUMSA職場委員はこのタイヤ工場の変化を監視し、労働者の技能を高めて近代的な機械や生産技術に順応しようとしている。

石塚宏幸ゴム連合中央執行委員長・ネットワーク議長が開会の辞を述べ、ブリヂストンのような世界的タイヤメーカーにおける成熟した労使関係の重要性について概説した。新技術によって、新興企業が成長してビッグ3(ブリヂストン、ミシュラン、グッドイヤー)からマーケットシェアを奪う可能性が出てきている現在の状況を受けて、石塚委員長はこう述べた。

「気を緩めないようにしなければならない。労使が共通のルールと理解、コミュニケーションを確立しなければならない。そして、労働安全衛生は非常に大きな優先事項だ。このネットワークの力を強化するにあたり、私たちはインダストリオールの変わらぬ支援を頼りにしている」

中国をはじめとするアジア諸国から低価格のタイヤが流入している問題は、南アフリカ、日本、ヨーロッパのタイヤメーカーにとって大きな問題である。低価格タイヤは市場に氾濫しており、世界中のインダストリオール組合員の雇用を脅かしている。

現在、鉱業だけでなく自動車産業も世界的に低迷しており、タイヤ産業に直接影響を与えている。NUMSAは日本の組合の同僚と協力し、南アフリカ共和国ポート・エリザベスにある従業員数250人のブリヂストン第2工場の未来の保証を求めることにしている。

ブリヂストン欧州従業員代表委員会のマルコ・アルギリ委員長は、この世界規模の委員会で重要な役割を果たしている。マルコは、22カ月間ヨーロッパで重傷事故が起こっていないという快挙に基づき、安全衛生分野におけるブリヂストンの進展についてグループに発表した。しかしマルコは、南アフリカの工場で労働者がカーボンブラックに接触している問題を提起した。

ブリヂストンはヨーロッパで今後4年間に4,100万米ドルを投資し、フランス、ハンガリー、イタリア、ポーランド、スペインの8工場で製造プロセスをデジタル化する。この投資にはブリヂストン従業員の能力向上と訓練が含まれ、資源効率と職務満足の向上を支援するためのデジタル技術の運用を目指す。この改善は省エネ、効率向上、ゴミ減量化、プロセス簡素化にも取り組む。

ブリヂストン欧州従業員代表委員会のコーディネーターを務めるハインツ・エバーツが、がんに焦点を当てて会合に重要な貢献をした。健康は安全とまったく同様に重要であり、ブリヂストンは職業がんにもっと注意を払うべきだ、とハインツは主張する。会合出席者は、タイヤ生産に使われる素材の本当の発がんリスクをさらに調査する必要があることについて合意した。

ブリヂストン労働組合の中島崇裕が、活動的な組合は安全な職場に至る唯一の道だと報告した。

「日本のブリヂストンでは、組合の関与と設備改良のおかげで安全性が向上している。組合員が職場から安全性の問題を提起すれば、私たちはそれを経営側にぶつけ、耳を傾けさせるようにしている」

トム・グリンター・インダストリオール・ゴム部門担当部長が次のように述べた。

トム・グリンター

「インダストリオールは、安全衛生に関する中核的権利を求めるキャンペーンの重要性を信じている。組合員には知る権利、参加する権利、行動する権利がある。つまり、ブリヂストンは職場のリスクと危険に関する情報を全従業員に提供しなければならず、労働者は危険を感じたら職務を拒否する権利を常に持っていなければならず、組合員は職場において共同で安全衛生プログラムを計画・実施する権利を有しなければならないということだ」

NUMSAのジェームズ・セララ職場委員とクリスティン・オリビエ国際役員が、安全衛生に関する3つの中核的権利に基づき、ブリヂストン経営陣が積極的な行動を起こしたことを報告した。しかし、職業がんに関する理解を深めるために取り組む必要があることが強調された。一般に労働者は退職後3年以内に亡くなっているため、ブリヂストン工場で長く働いたあと退職した労働者の健康状態について情報収集を行う。

2020年には東京でオリンピックが開催されるため、来年の年次活動は日本以外で行われる。