マレーシア政府、安全性に関する懸念を表明した組合指導者に嫌がらせ

2020年7月27日

マレーシアの組合指導者N・ゴパルキシュナムは、英チャンネル4ニュースの取材で安全性に関する懸念を表明したために、政府から嫌がらせを受けている。政府は嫌がらせをするのではなく、個人用保護具を輸出している工場で働く労働者の安全衛生を確保するために、しっかりとした措置を講じることに集中すべきだ、と同氏は考えている。

イギリスのチャンネル4ニュースは6月16日、世界最大のゴム手袋メーカーであるトップ・グローブが、マレーシア当局が課すソーシャルディスタンス規則に従っていないことを暴露した。この調査報道は、同社で働く移民労働者の劣悪な生活条件も明るみに出た。

全国輸送機器・関連産業労組(NUTEAIW)のN・ゴパルキシュナム書記長は、この労働条件にショックを受け、COVID-19防止手順の違反はトップ・グローブ労働者全員を危険にさらしている、とビデオの中でコメントした。同氏は英国民保健サービス(NHS)に対し、同社から医療用手袋を購入しないよう促した。

ゴム手袋工場の労働者と連帯したこのコメントを受けて、内務省当局者はゴパルキシュナムに数回電話をかけ、事前通知なしでNUTEAIW事務所を訪問した。7月24日午前に会合が設定された。

N・ゴパルキシュナムは言う。

「この会合で内務省当局者が、ビデオの制作者と工場内の私の関係者にしか興味を示さなかったことに、私は当惑している。なぜ工場の労働者の健康やソーシャルディスタンス規則違反を気にしないのか」

58の労働組合とNGOで構成される労働法改革連合が、7月23日に声明を出した。

「新政権は、労働組合運動と市民社会組織による批判に対する取り締まりを強化している。組合指導者だけでなく、選挙改革や難民、拘留中の死亡に関する問題を強調している社会運動家も、警察に呼び出されて取り調べを受けた。

「ムヒディン・ヤシン首相に対し、ゴパルキシュナムをはじめとする社会運動家への嫌がらせを直ちにやめるよう強く要請する。政府が、労働者や社会から取り残された集団の懸念を表明する組合・NGO指導者の民主的権利を尊重することが重要だ」

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は言う。

「インダストリオールはマレーシア政府に対し、この労働組合指導者の表現の自由を尊重し、ゴパルキシュナムに対する調査をすべて中止するよう求める。すべての国々の政府が、COVID-19と闘うために、コロナウイルス拡大防止に向けて職場で政府の目となり耳となる労働組合を必要としている」