ドゥテルテ大統領に労働組合員の弾圧・殺害の中止を要求

2020年12月16日

11月30日、世界中の労働組合員がフィリピンのための世界行動デーに参加、街頭とフィリピン大使館で抗議行動を実施し、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領に労働組合員の弾圧と殺害の中止を求めた。これに対してフィリピン政府は、12月10日に労働組合員6人とジャーナリスト1人を逮捕した。

2019年12月10日の国際人権デーに世界中の労働組合が初めて行動を起こし、フィリピン政府に赤札と労働運動家・人権問題活動家の裁判なしの殺害をやめるよう要求した。だが、赤札(政府に十分に忠実ではないとみなされる個人や団体のブラックリスト掲載やハラスメント)が続いている。

改革派の議員は共産党員呼ばわりされ、最近、武装組織のメンバーと言われている人々が殺害されている。

グローバル・ユニオン評議会(CGU)は11月30日にフィリピンのための世界行動デーを開始し、フィリピン政府が脅迫をやめ、裁判なしの殺害の犯人に責任を負わせ、反テロリズム法を廃止するよう要求した。世界中の労働組合員が加わった。

フィリピンでは、インダストリオール加盟組織がケソン市のフィリピン大学での大集会に参加。労働長官に手紙を書き、大統領府に介入してハイレベル政労使ミッションを受け入れさせるよう要請することにしている。

11月30日のフィリピン

フィリピン金属労働者同盟(MWAP)スポークスパーソンのメアリー・アン・カスティーリョはこう語った。

「我が国で広く労働組合が弾圧されていることを非難する。ネクスペリアの傘下組合も、ラグナで赤札とテロリスト指定の標的にされた。労働組合主義は犯罪ではなく、労働者の組合加入権を保護しなければならない」

フィリピン金属労働者同盟(PMA)のナルシソ・ロザーノ、ジョセフ・ボー両副会長は次のように述べた。

「反テロ法は、団結権を行使し、家族を養い、自分たちの安全と雇用を守る労働者の権利をさらに抑制する法律であるため、廃止しなければならない」

シドニーからの連帯

オーストラリア製造労組(AMWU)のアンドリュー・デットマー会長はこう述べた。

「他の組合と連携しながら、シドニー、キャンベラ、パースのフィリピン大使館・領事館で抗議している。弾圧と闘うためにフィリピンの同志と連帯する」

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は次のように述べた。

「反テロリズム法は労働組合員や活動家の迫害に利用されている。特恵貿易協定の問題に関して政府に圧力をかけ、組合への干渉をやめさせなければならない」

カンボジア、インドネシア、日本、韓国、マレーシアのインダストリオール加盟組織も、フィリピンのための世界行動デーに関するソーシャルメディア・キャンペーンに加わった。

韓国からの連帯

フィリピン政府の対応は非人間的なもので、2020年12月10日に治安部隊が労働組合活動家6人とジャーナリスト1人を逮捕した。

CGUは、この行動を非難、逮捕者の即時釈放とすべての起訴の取り下げを要求し、次のように述べた。

「労働組合活動家が犯罪者扱いされ、不法に逮捕・拘留されている。これによって政府は、組合や団体への労働者の組織化を阻止し、労働者の活動に反映される思想や表現の自由を奪おうとしている。弾圧の強化は、まさに国民の間で異議や組織的行動を押さえ込むことを目的としている。恐怖心を植え付けて人々を黙らせる手段としての活動家・権利擁護者の殺害は、まだ終わっていない」