インドネシアで組合ストに暴力的対応

2020年10月19日

論議を呼んだオムニバス法が国会で成立したあと、10月6〜8日に全国ストに入ったインドネシアの労働者・組合が暴行され、独断的に逮捕された。

インドネシア全国の組合員が10月、オムニバス法に抗議するためにストに入った。組合は4月、議会に法案の審議を停止させることに成功したが、結局10月5日に素早く可決されてしまった。

ストに対して暴力が加えられ、独断的な逮捕が行われた。報告によると、インドネシア金属労連(FSPMI)の組合員32人がベカシで放水砲によって負傷し、さらに10人がベカシとジャカルタで逮捕された。警察は、許可時間外にストをしたとして労働者を非難した。

FSPMIの運転手がベカシでジャカルタ警察に尋問されたあと、一晩拘留された。

インドネシア労働組合総連合(KSPI)とFSPMIの会長を務めるサイド・イクバルは言う。

「合法的な手段によって闘い続けるつもりであり、全国で抗議行動を計画している。憲法裁判所に司法審査を申し立てたり、オムニバス法反対キャンペーンを国際舞台に持ち出したりすることもあるかもしれない」

化学・エネルギー・鉱山労組(CEMWUSPSI)の組合員10人が、暴動にかかわっているとの濡れ衣を着せられ、ジャカルタでコーヒーを飲んでいたときに警察に拘束された。

さらに、インドネシア福祉労働組合総連合(KSBSI)の組合員5人が、ジャカルタ行政当局が課す大規模社会制限(PSBB)規則に違反したとしてジャカルタで警察に逮捕された。

エリー・ロジータ・シラバンKSBSI会長は言う。

「まだ拘留されている1人の組合員を釈放させるために警察と交渉している。労働者たちをソーシャルディスタンス規則違反で責めてはならない。政府と議会はオムニバス法の可決によって、労働者が自分たちの問題を公の場に持ち出さざるを得ない状況に追い込んでいる」

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は言う。

「インドネシア政府に対し、インドネシアの労働者の表現の自由を尊重・保護するとともに、インドネシア政府が批准した市民的および政治的権利に関する国際規約(ICCPR)に違反した警官を処分するよう求める」