ベラルーシから生物学的危険まで:労働組合はILCで行動を要求する

2025年5月27日

国際労働機関(ILO)加盟187カ国は毎年6月、スイスのジュネーブで 開催されるILC(ILO総会)に出席する。今年のILCは6月2日に開幕し、労働環境における生物学的危険に対する労働者の保護とプラットフォーム経済におけるディーセント・ワークに関する新たな国際基準の可能性について議論される。

すべてのILO加盟国は、政府代表2人、労働者代表1人、使用者代表1人で構成される代表団をILCに派遣することができる。それぞれの代表は会議本会議で1票の投票権を持つ。代表団には顧問も含まれるが、顧問には投票権はない。インダストリオール・グローバルユニオンのような国際組織はオブザーバーとして出席する。

なぜILCが労働組合にとって重要なのか?

ILO総会には、労働者、政府、使用者代表が対等な場で一堂に会する。労働者グループを通じて、国内およびグローバルユニオンは、条約の起草や加盟国での実施状況の監視など、政府・使用者の政策に影響を与えることができる。

この総会は労働組合にとっても重要である:

自国における労働権侵害の責任を政府に問う機会である。

労働権侵害の事例に国際的なプラットフォームを提供する。

各国政府に対策を勧告し、加盟国に技術支援に対する制裁を与えることで、侵害の解決に貢献できる。

インダストリオールは今年、生物学的危険に対する労働者の保護に関する国際基準 の可能性に関する議論や、ディーセント・ワークのためのフォーマルへの移行促進に関する 討議に参加する。インダストリオールはまた、プラットフォーム経済におけるディーセント・ワー クに関する基準設定委員会で、ITUCが主導する労働者グループの一員となる。

ILO、ミャンマーに対する第33条の発動を促す

今年初め、ILO理事会はミャンマーにおける民主主義の回復と基本的権利の尊重に関する決定を起草し、ILCに対し、ミャンマーによる委員会報告書の遵守を確保するため、ILO憲章第33条に基づく措置を検討するよう勧告した。その理由は、ILO調査委員会が強制労働と結社の自由に関する重大な違反を認定し勧告を出したにもかかわらず、軍事政権がその勧告を履行しなかったことにある。

ILOの歴史上、第33条の発動は過去に2度しかなく、前回は2023年のベラルーシをめぐるもので、ベラルーシの労働者の権利侵害の深刻さを浮き彫りにした。ベラルーシは労働者にとって世界最悪の国のひとつとなっており、独立労働組合は解体され、労働権は犯罪化され、結社の自由は完全に抑圧されている。

基準適用委員会(CAS)とは何か?

CASは、加盟国がILO基準をどのように適用しているかをチェックするという点で、ILOの監督システムに不可欠な部分である。事前リストには40の事例があり、そのうち24の事例がCASの討議対象に選ばれる。さらに、6月7日にベラルーシに関するCASの特別会合が開かれる。

グローバルユニオンは、ジュネーブでILCに参加する加盟組織や他の活動家 とともに、パレ・デ・ナシオンの前にある「壊れた椅子」で数多くのデモを計画してい る。壊れた椅子は暴力への抵抗の象徴であり、人権・労働権擁護デモの集合場所と なっている。

6月3日 ミャンマーのための集会

6月4日 プラットフォーム労働者のための集会

6月5日 ベラルーシ支援集会

6月9日 ウクライナ集会