第4回インダストリオール大会――組織化で公正な未来を

2025年11月12日
民主主義、平和、ディーセント・ワークが世界中で脅威にさらされている今、シドニーの第4回インダストリオール大会に世界の労働組合運動が結集し、その使命を再確認した――すべての場所で労働者を組織化し、権利を擁護し、万人のために持続可能で公正な未来を築くことである。
100カ国近い国々から集まった1000人を超える代議員が3日間にわたり、組合を強化し、不平等と闘い、グローバル資本に責任を負わせ、未来の産業移行が1人の労働者も置き去りにしないようにするための戦略をめぐって討議した。インダストリオール加盟組織は大会テーマ「組織化で公正な未来を」を指針として、連帯を力に、力を変化に変えようという集団的決意を新たにした。
マリー・ニルソン・インダストリオール/IFメタル会長が大会の開会を宣言し、技術変化、独裁政治、気候非常事態によって仕事の世界の形が変わりつつあることを認めた。けれども答えは連帯にある、と彼女は述べた。
「私たちは急激な変化の時代に生きている……だが、大会ホールを見渡すと希望を感じる。これらの課題に立ち向かう共同の力がある。私たちは、より持続可能な未来を構築する決意を固めており、それは私たちのスローガン『組織化で公正な未来を』に反映されている」

(マリー・ニルソン)
オーストラリアの組合指導者たちも、そのメッセージを繰り返した。オーストラリア労働組合協議会のミシェル・オニール議長が代議員に「組織化された資本への対応は1つしかなく、それは組織労働者」であることを思い出させた。鉱業・エネルギー労組のトニー・マーハー会長が、ホスト組合を代表して参加者を歓迎し、オーストラリアの民主主義と繁栄は「孤立ではなく連帯の上に成り立っている」と強調した。
労働運動の生涯の同盟者であるアンソニー・アルバニージー・オーストラリア首相が、オーストラリアの価値観を公正のための世界的な闘いに関連付けた。
「前進していく中で、誰も置き去りにしないことが極めて重要だ」とアルバニージーは述べた。「公正と良好な労働条件、適正な賃金は、労働市場を弱体化させるものではないということが分かっている――成長と公正が一緒になればさらに強くなる。私たちの目的は不変であり、したがって連帯は本当に永遠に続く」

(アルバニージー首相)
組合の力の構築
全体会議とアクション・プランをめぐる討議で、代議員は何度も1つの中心原則に立ち戻った。すなわち、強力かつ民主的・包括的な組合だけが労働者のために公正を勝ち取ることができる、ということである。
アトレ・ホイエ書記長が、大会への書記局報告を発表した。
「2021年に採択されたアクション・プランと4つの戦略目標に導かれて、書記局は、その活動を実施しながら、民主主義と基本的権利に対する攻撃の強まりと、平和と社会的公正の擁護における組合の極めて重要な役割に、ますます注意するようになっている。
「私たちの焦点は、労働組合を強化すること、労働協約を取り決め、基本組合権の侵害を是正し、労働者のためにより良く、より持続可能な生活を確保する組合の能力を強化することにある」

(アトレ・ホイエ書記長)
要点は以下のとおり。
- カンボジアでサプライチェーンに支援された法的拘束力のある労働協約が締結され、これによって全国で数万人の労働者の賃金・労働条件が改善する。
- 船舶の安全かつ環境上適正な再資源化のための香港条約が発効し、すでに安全と環境保護に劇的な影響を与えている。
- インドネシアの組合は、労働者の利益に反するオムニバス法と闘い、勝利を収めた。
- 能力強化が変化をもたらし、52の青年機構と53の女性機構が新設され、少なくとも37万2383人の新規労働組合員が勧誘され、6万944人の労働組合員が能力強化行事に参加した。
- インダストリオールの行事で女性参画拡大に成功している。女性代議員の割合は、2016年リオの28%に対して、ここシドニーでは43%である。
その後の討議で、パレスチナ、ミャンマーおよびウクライナの代議員がインダストリオールと加盟組織による連帯支援に感謝した。トルコからタイ、ブラジルから南アフリカに至る労働組合員が大会で演説し、労働者の権利と公正で持続可能な世界を求めて果敢に闘っていることについて語った。
アクション・プランをめぐる討議
不平等は現代を特徴付ける課題である。インダストリオールのアクション・プランは、より強力な労働組合と労働協約だけが、この物語を変えられることを明確にしている。ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長が次のように警告した。
「不平等は偶然の出来事ではなく、支配者層が自分たちのために作ったルールの予想可能な結果だ。アクション・プランにはこう明記されている――現在の不平等は、成長と社会的一体性、民主主義を損なう。ルールを変えて、経済が少数のエリートではなく、すべての人々の役に立つようにしなければならない」
パネリストたちは、各自の地域で不平等が――賃金停滞、不安定雇用、差別、危険な条件によって――どのように展開し、組合がどのように抵抗しているか説明した。ケニア、ブラジル、アメリカ、イラク、インドネシア、インドの発言者が、ジェンダーや人種、雇用形態を超えた組織化の例を共有した。
USW北米のマリア・ソンマが次のように述べた。
「研究の結果、企業・サプライチェーン全体で組織化して交渉すれば、最低賃金が上がり、契約労働者が同一賃金を獲得し、安全性が強化されることが分かっている。強力な組合は民主主義の実践だ。しかし、組合は個人を向上させるだけでなく、社会全体を向上させる」
アトレ・ホイエ書記長が、アクション・プランに関する2番目のセッション「組合の力の構築」で発言し、代議員に組織化の重要性を再認識させた。
「労働組合の力の構築は単なる戦略ではなく、私たちが生き残ることそのものだ。すべての職場で、すべての労働者を組織化することによってのみ、労働者が資本家階級よりも強い態度を取る未来を形成することができる」
世界中から集まった代議員が、その力の構築方法を示す経験を共有した――インドネシアにおける組合員・指導者の強化、ペルーにおける若い世代の権利拡大、ガーナにおけるホワイトカラー労働者の関与、インドにおける労働者の尊厳の擁護、モロッコにおける真の利益を提供する新協定の取り決めなどである。彼らの話は全体として、すべての部門に組合加入と団結、連帯を広げるという共通のコミットメントを反映していた。
インドSMEFIのサンジャイ・バダブカールが述べた。
「この部門で組合の力を構築することは簡単ではない――それは勇気と忍耐、洞察力を必要とする闘いだ。組織化は数字だけの話ではなく、労働者を支援し、彼らの尊厳を守り、彼らの権利が産業全体で尊重されるようにすることだ」
アクション・プランの3本目の柱は、増大する多国籍企業の力への対抗である。クリスティン・オリビエ書記次長が、グローバル資本に責任を負わせることの意味を次のように説明した。
「責任を要求し、企業が利益よりも人を優先させるよう主張することだ」
アルゼンチン、イタリア、チュニジア、南アフリカ、アメリカ、カンボジアの組合指導者たちが、グローバル・サプライチェーンで適正賃金や安全、尊重を勝ち取るための闘いと成功例を説明した。米国メルセデス・ベンツの組合つぶし反対キャンペーンから、カンボジアの衣料部門における拘束力のある協定の実施まで、代議員は、資本側と同じ世界規模で力を組織しなければならないということを明確にした。
カンボジアCCAWDUのアシット・コンが次のように述べた。
「私たちにはブランドを交渉のテーブルに着かせる力がある。現場レベルから、サプライチェーンから組織化しているので、グローバル企業や世界的ブランドに圧力をかけることができる。世界的ブランドと拘束力のある協定を締結すれば、それを国家・工場レベルに移すことができる。これは現場の労働者に成果をもたらす。この力を利用して、人々のために利益を広げることができる」
労働者主導の公正な移行
気候変動、オートメーション、再生可能エネルギーへのシフトは、産業を変えている。大会代議員は、労働者はこれらの変化に苦しめられるのではなく、変化を形作っていかなければならないことに合意した。松﨑寛書記次長が、強力な組織化された労働運動だけが、雇用と地域社会、尊厳を守る公正な移行を確保できると述べた。
オーストラリア、ドイツ、南アフリカ、シンガポール、モロッコ、コロンビアから参加したパネリストが、進行中の真の移行から学んだ教訓を共有した。すなわち、早く始めること、労働者と地域社会を守ること、新しい技能に備えて訓練すること、エネルギーの公的支配を維持することである。
続いて、4つのアクション・プラン関連セッションのそれぞれで活発な討議が行われ、代議員は平等、民主主義および平和に対するインダストリオールのコミットメントを再確認し、各自の国や産業部門の問題について議論するとともに、勝利と闘争を共有し、グローバルな連帯を紹介した。
大会は、いくつかの決議を採択した。
- 貿易に関する決議――国際貿易は労働者の役に立たなければならない。私たちは組合によって保護された持続可能かつ公正な雇用を擁護する。
- フェミニスト決議――フェミニズムは、あらゆる形態の抑圧や差別を撤廃し、民主的組合を構築するための手段である。
- 世界平和保護決議――すべての国家、機関、NGOおよび人民が一致協力し、万人のために公正と人権が達成される恒久平和の世界を構築することを要求。
- スト中の警備員が貧困賃金と社会的保護の欠如に抗議していた際に暴行・逮捕された、リベリアのSEGAL労働者に対する残忍な攻撃を非難する緊急決議。
大会は、クリスティアーネ・ベナーIGメタル会長をインダストリオールの新会長に選出した。アトレ・ホイエが書記長に再選され、3人の書記次長、クリスティーナ・オリビエとケマル・ウズカン、松﨑寛も再選された。大会は、副会長――金子晃浩(アジア太平洋)、ミシェル・マイコン・バスコンセロス・ダ・シルバ(ラテンアメリカ・カリブ海)、ハビブ・ハザミ(中東・北部アフリカ)、ロクサーヌ・ブラウン(北米)、ローズ・オマモ(サハラ以南アフリカ)、マリー・ニルソン(ヨーロッパ)――ならびに次期大会期間の執行委員会メンバーも選出した。
大会の閉幕にあたり、新たに選出されたクリスティアーネ・ベナー会長が、この行事を実行した代議員のエネルギーと勇気に感謝した。
「私たちの中には、自分の自由を、場合によっては命さえ危険にさらしながら、労働者を組織化している人もいる。私たちは肩を並べて闘うことを約束する。私たちの共通のビジョンは、すべての人に雇用保障、所得保障、社会保障、結社と言論の自由がある世界だ」

(クリスティアーネ・ベナー・インダストリオール会長)


