労働者の命を救って労働安全衛生を基本的権利に

2021年9月28日

初のWHO/ILO(世界保健機関/国際労働機関)共同監視報告によると、業務上の傷病により毎年少なくとも190万人の労働者が死亡している。しかし、報告に含まれていないリスク要因による死亡原因を追加し、2000〜2016年のデータの不十分な記録による情報不足を埋めると、死者300万人という驚くべき数字に近づく。

2019年に仕事の未来に向けたILO創設100周年記念宣言が採択され、「安全で健康的な労働条件はディーセント・ワークの基礎」と明示されてから、インダストリオール・グローバルユニオンはITUC(国際労働組合総連合)ならびに他のグローバル・ユニオンとともに、ILOが労働安全衛生を労働における基本的原則および権利と認めることを求めて運動してきた。現在のCOVID-19パンデミックは、長年の懸案だったILOによる緊急措置の必要性を強調している。

ILO理事会は今年11月、この問題を2022年国際労働総会の議題に盛り込むかどうか決定する。インダストリオールと他のグローバル・ユニオンは、1998年の労働における基本的原則および権利に関する宣言の修正によって、これを行う必要があると主張している。というのも、これは労働安全衛生をILOの労働における基本的原則および権利の枠組みに盛り込む最も簡単・迅速な方法だからである。

ケマル・ウズカン・インダストリオール・グローバルユニオン書記次長は言う。

「このグローバルなWHO/ILO共同報告は、すでに分かり切っている現実を明らかにしている。労働者の死亡事故はすべて防止できる――もうたくさんだ。この大量殺人を終わらせなければならない。私たちはILOに対し、結社の自由や団体交渉権などとともに、労働安全衛生を基本的権利にするよう改めて強く要求する」

WHO/ILO監視報告によると、死亡事故の80%超が病気によるもので、19.3%は負傷が原因である。アフリカ、東南アジア、西太平洋では、男性と高齢者の業務上の疾病負担が不釣合いに大きい。

最も多くの死亡をもたらしている職業上のリスク要因は長時間労働(週55時間以上)で、粒子状物質・ガス・煙霧への職業上の暴露と労働災害がこれに続いた。業務上の死亡の負担が最も大きい健康上の問題は慢性閉塞性肺疾患で、以下、脳卒中、虚血性心疾患の順だった。