バッテリー・サプライチェーンにおけるジェンダーに基づく暴力に対処するための新しいツールキット

2025年2月6日
世界的な再生可能エネルギーへのシフトにより、バッテリー・サプライチェーンが注目されているが、その裏では、特に女性労働者が憂慮すべきレベルのジェンダーに基づく暴力やハラスメント(GBVH)に直面している。この問題に対処するため、インダストリオールは、この緊急課題に対処するための具体的な戦略を提供する新しいツールキットをリリースした。
ジェンダーに基づく暴力とハラスメントの根絶:バッテリー・サプライチェーンの事例(英語)
Ending Gender-Based Violence and Harassment: The Case of the Battery Supply Chain (ENGLISH) |
多くの職場では、女性は依然として、安全でない労働条件、労働権の欠如、差別を助長する文化的慣習のために、不当に脆弱な立場に置かれている。インダストリオールのツールキットは、バッテリー・サプライチェーンにおけるGBVHのリスクを強調するだけでなく、労働者と組合に実行可能な解決策を提供している。
インダストリオールの新しいツールキット「ジェンダーに基づく暴力とハラスメントの根絶:バッテリー・サプライチェーンの事例」は、労働組合や労働者だけでなく企業にも、職場におけるGBVHを特定し防止するために必要なツールを提供する。バッテリー・サプライチェーンは、採掘や精錬からバッテリーセルの生産や組み立てまで、さまざまな産業にまたがっているが、そこでは女性がしばしば危険な環境やハラスメント、搾取に耐えている。
インダストリオールは、ジェンダー不平等を根本的・構造的に対処し、多数の重なり合う差別形態を特定するために、人事デュー・ディリジェンスにジェンダーの視点を取り入れるよう労働組合に呼びかけている。
ツールキットの内容は?
- ジェンダー変革的人権デュー・ディリジェンス(HRDD)へのロードマップ
- OECDのHRDDプロセス6段階に合わせたGBVHのリスク評価
- インドネシアにおける労働組合の成功戦略など、現実のケーススタディ
- ILO条約第190号(C190)を職場の方針に盛り込む方法、および人権と責任ある企業行動に関する洞察
- 労働者と組合が効果的な方針を交渉し、企業に説明責任を負わせるためのツール
「職場における暴力に対処するための明確なガイドラインとしてILO条約第190号のようなグローバルな枠組みがある今こそ、行動を起こすべき時だ。企業には説明責任が求められ、組合は組合員を守るために力を与えられなければならない」
と、インダストリオールのクリスティーン・オリビエ書記次長は言う。
「私たちは、労働者の権利、安全、尊厳を優先するバッテリー・サプライチェーンを構築できる。クリーンエネルギーへの移行を、真に公正で万人のためのものにしよう」
私に何ができるだろうか?
労働組合:このツールキットを活用して、GBVHのより強力なリスク評価と防止プロセス、ジェンダーの視点を取り入れたHRDDを要求する。
企業:ジェンダー平等と規範を推進し、ゼロ容認政策を実施し、GBVHのリスク管理を強化する。
政府:より安全な職場環境を世界的に実現するために、ILO条約第190号の批准と施行を支援する。