電力労働者の権利を保護するために自由化のダメージを修復

2019年10月9日

インダストリオールのアジア太平洋電力労組ネットワークは、インダストリー4.0の課題に取り組むために地域における組合間協力の強化を誓約した。

日本、韓国、モンゴル、ベトナム、タイ、インドネシアおよびネパールから女性6人を含む35人の組合幹部が10月1~2日に東京に集まり、景気後退と技術革新が労働者に及ぼす影響をめぐり討議した。

ネットワークの岸本薫議長は、技術変化がエネルギー産業の伸び悩みを招いているが、アジアで多国籍企業が成長しているおかげでエネルギー消費は着実に増えていると述べた。

1998年、韓国経済とインドネシア経済はアジアの金融危機によって大きな打撃を受けた。両国政府はIMFの助言に従って外国投資を自由化し、国内の独占を解体した。

「IMFの自由化政策によって韓国電力公社(KEPCO)が6つの子会社と6つの組合に分割されただけでなく、現在、外注労働者が幅広く利用されている」

「韓国全国電力労組(KNEWU)は同社を説得し、数千人の臨時労働者の身分を常用労働者に変更させることに成功した。20年前にIMFがもたらしたダメージを修復しているところだ」とチェ・チョルホKNEWU委員長は述べた。

「インドネシア政府は金融危機後、電力部門を自由化するためにIMFと同意書を交わした。その結果、異なる企業が発電、送電、配電およびエンジニアリング支援を担当している」

「ほとんどの子会社が契約労働者を雇っているので、組織化が難しい。そして、下請労働者と常用労働者では福利面で大きな格差がある」と化学・エネルギー・鉱山労組(CEMWU)のガリー・ワワン・ハルヤント部門担当書記は言う。

2011年の福島原発事故が一因で、原子力産業参入への関心が低下している。現在8万人の労働者を増やせるようにするには社会の信頼回復が不可欠だ、と岸本議長は述べた。

「モンゴルの世論は原子力発電所の建設に関して割れており、原発が動物や環境に及ぼす影響に対する不安がある。政府は原子力発電所の建設を先送りした」とモンゴル・エネルギー鉱山労連のサイード・クーヤグ・ブヤンジャルガル会長は語った。

ネットワーク指導部の交代

この会合では、坂田幸治現電力総連会長が岸本氏の後任として新しいネットワーク議長に就任した。

会合の終わりに川崎火力発電所を視察した。