韓国で著名な組合指導者イ・ヨンジュが抗議後に拘留

http://www.industriall-union.org/korean-trade-unionist-lee-yeong-ju-detained-after-protest

勧告で著名な組合指導者イ・ヨンジュが抗議後に拘留

2018年1月9日

インダストリオール・グローバルユニオンは韓国政府に書簡を送り、イ・ヨンジュ元韓国民主労総(KCTU)書記長の逮捕に抗議した。

イ元書記長は、KCTU書記長として活動したこと、特に2015年11月14日に前政権の抑圧的な労働改革に抗議する人民大規模動員の組織に加担したことを理由に逮捕状が出されてから、2年間にわたってKCTU事務所に滞在していた。

3年間の書記長の任期が終わると、彼女はKCTU事務所を出て与党民主党の事務所で座り込みのハンストを始め、労働時間規則に抗議した。

健康状態が悪化し、民主党は会見要求をすべて拒否した。組合執行部はハンストの終了を勧めた。彼女は12月27日に逮捕されて病院に運ばれ、そこで警察の聴取を受けた。12月30日、検察官の要請によって拘留命令が出され、ソウル拘置所に移送された。

ハン・サンギュンKCTU委員長も、デモの組織に関連するほぼ同じ容疑で、2015年12月から同じ拘置所に拘留されている。大規模な抗議を受けて2017年に朴元韓国大統領が政権の座を追われたとき、6,444人が恩赦を与えられた。しかし、ハンとイに対する告発は取り下げられなかった。

インダストリオールは韓国の組合運動とのグローバルな連帯の一環として、2015年以降、何度かハンとイを訪問して会見した。

国連の恣意的拘禁に関する作業部会は2017年4月、ハンとイの事件を検討し、韓国政府に「穏やかな抗議の場合も含めて、恣意的な逮捕や拘留を防止する責任があることを思い出させるとともに、各国に対し、常に刑事訴訟手続きの悪用を避けるよう要求」した。

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は、文在寅韓国大統領への書簡で次のように書いた。

「私たちは、大統領が国内・国際労働基準を守るという約束を果たし、この意味で、組合幹部の迫害をやめ、投獄されている労働組合員全員を釈放し、労働者の基本的権利の尊重を保証なさると信じています」

 

韓国の組合は、政府の労働時間規則の解釈に抗議している。現行労働基準法によると、労働時間は1日8時間、週40時間である。労働者は、さらに12時間働くことができ、超過勤務手当を支給される。だが政府の解釈によれば、この法律は週労働時間を月曜日から金曜日までと定義している。つまり、使用者は労働者に対し、月曜日から金曜日まで40時間の勤務プラス12時間の超過労働に従事し、さらに土曜日と日曜日にも割増賃金で1日8時間働くよう要求できるということになる。

この解釈では週労働時間が68時間と世界最長になる。第59節で、いくつかの区分の仕事が労働時間規則の適用を免除されている。現政権は週末労働の割増賃金を廃止したがっている。組合による主な闘いは、死傷事故の原因となるこの法解釈と第59節の適用免除をなくすことである。

組合キャンペーンの主要な目的は以下のとおり。

1. ILO中核的条約の批准によって基本的労働権を達成し、国内労働法を国際基準に従わせる。

2. 社会連帯の強化、最低賃金の引き上げ、不安定雇用の撤廃によって不平等を減らす。

3. サムスンや現代のようなコングロマリットに労使関係、安全衛生などに対する責任を負わせることによって、財閥中心の経済システムを改革する。