ベラルーシの独立組合、2021年アルトゥール・スベンソン賞を受賞

2021年4月9日

ベラルーシの独立労働組合運動に、アルトゥール・スベンソン労働組合権国際賞が授与された。受賞理由は、ヨーロッパ最後の独裁政権下で民主主義と労働権のために勇敢に闘ったことである。

アルトゥール・スベンソン労働組合権国際賞の今年の受賞者は、ベラルーシ民主労働組合会議(BKDP)と加盟組合で、その中にはインダストリオール加盟組織3団体が含まれている。すなわち、ベラルーシ独立労働組合(BITU)、自由金属労組(SPM)、ベラルーシ通信・電子産業労組(REP)である。

フロデ・アルフヘイム工業・エネルギー産業労組会長は言う。

「独立労働組合運動は、選挙結果の改竄との闘いと民主主義のための闘いの中心となっている。労働組合代表・活動家が解雇され、多くの人々が収監されたり、国外脱出を余儀なくされたりしている。それでもなお、BKDP傘下組合は新規組合員を勧誘し、新しい支部組合を設立し、闘いを続けている。これはルカシェンコ政権を最終的に倒すために不可欠だ」

「労働者の権利を守るための私たちの活動が、そのようなハイレベルで認められたことに感謝している。これは私たちを鼓舞し、活動を続ける刺激を与えてくれる。厳しい弾圧を受け、今年だけで当組合の組合員17人がさまざまな刑期の実刑判決を言い渡されたにもかかわらず、REPは労働者のために闘い続けている。どれだけ弾圧しても、自由と独立と連帯のための闘いを止めることはできないと私は確信している」とREP指導者のゲナディ・フェディニッチは言う。

ベラルーシでは過去26年間、独立労働組合運動を管理しようとするルカシェンコ政権によって、新規組合員の組織化や定着、新組合の登録、団体交渉、ストライキや抗議の組織のような通常の組合活動が、全面的または部分的に制限されてきた。

ベラルーシは、世界で最も労働者の権利を侵害している国の1つと考えられている。しかし、独立労働組合のBITU、SPMおよびREPは、厳しさを増す状況下にあっても諦めようとせず、組合員のために闘い続けている。

「これは大変名誉なことだ。この賞は、過去1年間、連帯の強さを示してきたベラルーシの労働者全員のものだと思う。次の褒美がベラルーシにおける権利、特に結社の自由、集会の自由、スト権の遵守となるようにするために最善を尽くす」とマキシム・ポズニャコフBITU会長は言う。

2020年8月の不正な大統領選挙のあと、状況はさらに悪化した。あらゆる抗議行動に対して、不当な拘束や厳しい実刑判決など、大規模な弾圧が加えられた。何人かの組合活動家や組合指導者が解雇・逮捕され、自宅や組合事務所が捜索された。バシリー・ザバドスキーREP会長はベラルーシから脱出せざるを得なかった。

それにもかかわらずベラルーシの独立組合は、民主主義と労働者の権利および人権のために日々闘い続けている。

「SPMは、民主主義への移行と労働者の権利保護のための闘いにおいて、ベラルーシの独立組合の役割が認められたことに感謝する。私たちは常にインダストリオールと国際労働運動の支援を感じている。闘いは続く。ベラルーシの労働者が独裁政権を打倒し、自分たちの権利を守るために組織で自由に団結できるようにしたい」とアレクサンデル・ブクボスタウSPM会長は言う。

選考委員会は、ルカシェンコ失脚後に新しい政治・経済体制を形成するにあたって、政治当局から独立した力強い労働組合運動が、圧倒的多数に資する社会を創出するうえで極めて重要になると述べている。

 

インダストリオールは、この推挙を支持し、受賞者を祝福する。ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長は言う。

 

「3組合すべてが労働者の権利を求めて疲れを知らずに闘った。ベラルーシの民主主義全般のために、特に職場における真の労働者代表のために、絶えず勇敢に闘ってきたことを称賛する。これらの組合は、ベラルーシの新しい政治・経済課題を立案し、全国民の社会的・経済的利益を保護するうえで重要な役割を果たす」

 

アルトゥール・スベンソン労働組合権国際賞は、労働組合と労働組合権を国際的に促進・強化するために、ノルウェーの工業・エネルギー産業労組が創設した。