インダストリオール、ジェンダーを変革する包括的で公正な移行を要求

2022年3月15日

第66回国連女性の地位委員会(UNCSW66)が今週、ニューヨークで始まる。インダストリオールは他のグローバル・ユニオンとともに、この機会を利用して、ジェンダー平等を、環境に優しい思いやりのある世界の構築に向けた公正な移行に関する議論の中心に据える。

CSW66――国連総会ホールでの開会式 写真:国連ウィメン/Ryan Brown

3月14-25日にUNCSW66が開催される。同委員会の2週間の年次セッションでは、国連加盟国、労働組合を含む市民社会組織、国連機関の代表が、ニューヨークの国連本部で対面して、あるいはバーチャルで会合を開く。

この討議では、気候変動・環境・災害リスクを軽減する政策および計画との関連で、ジェンダー平等とすべての女性・少女のエンパワーメントの達成に焦点を当てる。各当事者は、気候変動におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメントに関する優先テーマについて、交渉で合意した結論の形で勧告を行う。

インダストリオールは労働組合の優先課題を設定するにあたって、公正な移行計画と、特に産業転換の影響を受ける労働者のディーセント・ワーク創出を目指す、持続可能な産業政策の(労働組合も関与する)実施を組み合わせなければならないことを明確にした。これらの政策は、既存のジェンダー不平等に対処することによって、男女双方の機会均等を保証しなければならない。

「エネルギー転換に関する政策は、労働組合を関与させて、再生可能エネルギー部門とそのサプライチェーンで男女労働者の適正な労働条件の達成に努めなければならない。これらの政策は構造面・行動面のジェンダー不平等にも焦点を当て、女性(特に若い女性)が、科学・技術・工学・数学(STEM)など、伝統的に除外されてきた仕事や部門に参加できるようにしなければならない。女性のニーズを満たし、エネルギーへの普遍的アクセスによってジェンダーに基づくエネルギー貧困に対処しなければならない」とインダストリオールのエネルギー・公正な移行担当部長のダイアナ・ジュンケラ・キュリエルは述べた。

インダストリオールは他のグローバル・ユニオンとともに共同声明を発表し、加盟国に対し、地球を維持して仕事の世界における深刻な不平等と不公平に適切に対処する野心的な公正移行計画の採択によって、直ちに行動を起こすよう求めた。これらの計画は、気候緊急事態に対応し、持続可能な開発のための2030アジェンダに定める目標を達成する態勢を整えた、弾力的で持続可能で公正な社会を建設するための基本である。

ジェンダーに対応した包括的で環境に優しい思いやりのある経済への公正な移行に十分投資し、投資額を増やしていくことが重要である。そのためには、インフォーマル労働のフォーマル化や社会的保護への普遍的アクセスなど、万人のためのディーセント・ワークの提供を保証する必要がある。質の高い公的介護・医療・教育サービス(輸送サービスを含む)への普遍的アクセス、部門別・職業別分離の克服、同一労働同一賃金の実現、賃金・技能格差の根絶、労働安全衛生の提供も、公正な移行の中心的信条である。

UNCSW66は、各国に影響を与えて、ジェンダーを変革する包括的で公正な移行計画を立案させる大きなチャンスである。合意された結論は、インダストリオールと加盟組織にとって、政府・企業に提言して交渉し、気候変動への対応が女性に対する固有の影響と仕事の世界における関連する転換に取り組むようにするための重要な手段になる。インダストリオールはUNCSW66の結果をもとに、さらに戦略を策定していく。

現在、ジェンダー平等は多くの政府の公正な移行計画に盛り込まれていない。多くの労働組合の議題にも入っていない。UNCSW66は、一般組合員の間でジェンダー平等の認知度を高め、公正な移行をめぐる行動にジェンダーを統合することの重要性を明確にする機会である。

UNCSW66開催中に、誰でも参加できる一連の重要なバーチャルサイドイベントが企画されており、気候変動が女性に及ぼす影響や、ジェンダーを変革する包括的で公正な移行に関連する多様な問題(同一賃金、STEMの女性、フェミニスト的な気候変動解決策など)を取り上げている。

  • 3月16日のグローバル・ユニオン・サイドイベント「今すぐ気候行動とジェンダーを変革する思いやりのある公正な移行を!」に登録しよう。

冒頭写真:CUPE/Hatnim Lee