ウクライナとの組合連帯

2022年5月17日

ウクライナで戦争が続く中、他の国々の労働組合は労働者・組合との連帯を表明している。

スイス労働組合総連合(SGB)は先月、「ウクライナの住民、労働者および組合」との連帯メッセージを採択し、即時停戦を要求した。スイスのナショナルセンターSolifondsは、クルィヴィーイ・リーフの組合に2万スイス・フラン(2万米ドル)の寄付を送金し、さらに資金を集めている。

ドイツの鉄鋼労働者は、ウクライナのクルィヴィーイ・リーフでアルセロール・ミッタルの製鋼所を運転する同僚を支援している。独ブレーメンのアルセロール・ミッタル従業員代表委員会は、非常用発電機、モバイルバッテリー、調味料のための資金を集めている。すでに2回、ポーランドとウクライナの国境に届けた。さらに、ベルギー・ヘントの工場組合も緊急必要物資を送った。

現在、男性労働者の大部分が国を防衛しており、女性が工場を動かし続けている。人々は仕事と賃金を必要としているため、アルセロール・ミッタル・クルィヴィーイ・リーフ企業内組合のナタリア・マリニュク会長は、同僚のエレナ・パンチュクおよびタチアナ・プリツカウとともに、鉄鋼工場の溶鉱炉を可能な限り早く再稼働させるべく闘っている。経営陣の一部が出国しただけでなく、クルィヴィーイ・リーフには交戦地帯から逃れてきた難民も大勢いるため、これは困難な仕事である。

ナタリア・マリニュクは言う。

「徴兵されている人々を助けなければならない。すでに労働者の一部が戦死した。皆様の援助と支援は、大変な時期に勇気と希望を与えてくれる。私たちはあきらめない」

モルドバにはウクライナから難民が流入している。モルドバ全国労働組合総連合協議会は、3つの労働組合保養地に難民センターを開設した。

「このサナトリウムは主に母親と子どもを受け入れ、宿泊設備、1日3度の食事、温水を提供している。警備は24時間体制で、必要に応じて助ける準備ができている。驚くほど多くの人たちが結集し、私たちと連携して支援してくれている」と難民センターの1つの所長は言う。

インダストリオール加盟組織のモルドバ共和国化学・エネルギー労連(FSCRE)は、食料や衣服だけでなく暖房のためにも各センターに財政援助を提供している。

ウクライナからの難民イリーナは言う。

「オデッサから来た。そこにたどり着くのに苦労した。国境には長い行列ができていた。ソーシャルネットワークでボランティアのグループを見つけ、このサナトリウムに連れてきてもらった。手とり足とり助けてくれる。みんな寛大で親切だ。この私たちにとって厳しい日々に暖かく支援してくれるモルドバの人たちに、絶えず心から『ありがとう』と言いたい」

ポーランドやハンガリーなどのインダストリオール加盟組織から、連帯行動に関する報告が数多く寄せられている。フランスの8組合は力を合わせて、医療機器、業務用洗濯機、台所用品、毛布2600枚といった必需品を送っている。

インダストリオールと多くの国々の人道支援組織の両方を通して、多数の加盟組織も多額の財政援助を行っている。インダストリオールは、何とかウクライナの加盟組織に最初の財政援助パッケージを送り届けることができた。