南アジア――組合で女性の居場所の拡大が必要

2022年6月22日

インダストリオール・グローバルユニオンは、6月16-17日にカトマンズで南アジア地域女性会合を開催した。バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタン、スリランカから約25人の女性労働組合員が参加した。

女性指導者たちは、不平等、性差別、女性蔑視およびジェンダーに基づく暴力の終結を要求するインダストリオールの決議をめぐり、興味深い討議を実施。女性差別が生産現場だけでなく組合内部でも起こっている実態に検討を加えた。参加者は、組合で女性代表が不釣合いに少ないという事実を共有した。たとえ出席していても、女性は一般的に指導的役割ではなくメンバーとして参加している。

鉄鋼や鉱業のような男性労働者中心の部門には、女性組合員がほとんどおらず、女性指導者レベルは言うまでもない。デジタル化とオートメーションの進展に伴い、労働者に占める女性の割合は低下の一途を辿るだろう。何人かの参加者が女性の雇用割当制を提案した。

国別報告では、地域全体の女性労働者が同じような問題を経験していることが浮き彫りになった。例えば、職場でのセクシャル・ハラスメント、出産関連給付(職場の託児所など)の拒否、女性に固有の安全衛生問題の軽視、ジェンダー賃金格差などである。

バングラデシュのインダストリオール加盟組織である統一衣料労働者連盟(SGSF)のナズマ・アクター会長は述べた。

「一方の性だけに関する問題は、すべてのレベルで、すべての文脈で議論しなければならない。女性組合活動家が団体交渉委員会の活動的なメンバーになるだけでなく、これらの合意に、トランスジェンダー労働者の要求も含めて、特定の性に関わる要求を取り入れるようにしなければならない」

ジェンダー賃金格差とその影響について討議した。数人の女性指導者が、各国でこの問題を提起し、全国生活賃金についての議論に関連づけることを決定した。

インダストリオール素材金属部門共同部会長でインド鉄鋼・金属・機械労連(SMEFI)の書記を務めるサンジャイ・ヴァダーヴカルが述べた。

「組合は要求憲章でジェンダー賃金格差に取り組む必要があり、より多くの女性代表が組合の意思決定機関に参加しなければならない」

女性指導者たちは、インダストリオール女性委員会が決定した次の優先課題をはじめ、組合で女性に固有の問題に取り組むことを誓約した。

  • ジェンダーに基づく暴力に反対するキャンペーン
  • ジェンダーに対応した安全衛生アプローチ
  • 組合における女性のリーダーシップ促進
  • 性差別への対処
  • 女性の権利の保護・促進
  • 組合で平等な女性の受容を妨げる障害への対処

アプールヴァ・カイワール・インダストリオール南アジア地域事務所所長がこう述べた。

「男性中心の部門においても、組合指導部は組合で女性の居場所を承認する必要がある。戦略、行動、今後の道筋など、労働組合活動のすべての側面に女性を関与させるべきだ」