人権デーに獄中の労働組合員を支持

2022年12月8日

結社の自由の権利はILOの労働における基本的原則および権利の1つだが、現在、世界中であまりにも多くの人々が組合加入や組合活動を理由に投獄されている。

12月10日は人権デーで、国連世界人権宣言の採択を記念する日である。この人権デーにあたり、私たちは世界中の人々に労働者の権利が人権であることを思い出させ、獄中の労働組合活動家全員の釈放を改めて要求する。

逮捕や投獄まで含む法的な迫害は、多くの国々の組合活動家に広がる懸念となっている。労働組合員は民主主義の最前線の擁護者である。組合員は組織化され、職場や労働者階級のコミュニティーに根ざしているので、民主主義が攻撃されれば真っ先に抵抗する――そして真っ先に迫害される――ことが多い。

現在、圧制的な政府や搾取的な使用者が共謀して組合を抑圧しており、活動家はテロや扇動、外国人連絡員、不法集会、不安の喚起、会社の財産の破壊、商業活動の妨害の罪に問われている。

この問題は一部の国々で特に深刻である。ミャンマーでは、労働組合が非合法化され、2021年2月の暴力的な軍事クーデター以降、60人を超える労働組合員が捏造された容疑で投獄されている。

「私たちは、投獄された民主主義活動家全員に対する捏造された訴えの即時撤回、刑務所内で彼らの安全衛生を確保するという強力な保証、家族のもとへの迅速かつ安全な帰還を要求する」

グローバル・ユニオン声明、2022年10月

ベラルーシの自由で独立した組合は、最高裁判所によって実質的に解散させられた。16人の組合指導者・活動家が逮捕され、裁判を待っている者もいれば、自由の制限を宣告された者もおり、少なくとも3人が警告ストと大統領の名誉毀損で懲役刑を言い渡された。組合は資産や組合員データも没収されている。

インダストリオール執行委員会は11月、独立労働組合の解散を非難し、ベラルーシで投獄されている労働組合員全員の即時釈放を要求する決議を採択した。

マダガスカルでは、1人の労働組合員が勤務先の工場で労働者に対する侵害にスポットライトを当てたために投獄されている。

現在民主化を求める抗議行動のまっただ中にあるイランでは、自由で独立した労働組合の結成を試みる労働者が頻繁に拘留されている。

労働組合活動家の逮捕や投獄は、トルコ、エジプト、コロンビアなど、その他多くの国々の労使関係にも普通に見られる特徴である。

政府による弾圧は、殺害も含めた他の犯罪を招く環境をもたらす。フィリピンでは、労働者がストライキへの参加を理由に逮捕されており、政府その他の機関が労働組合員に対する「赤札」により、テロリストのレッテルを貼って攻撃対象にし、何人かの組合員が殺害されている。

残念ながら、迫害された労働組合員はあまりにも多く、労働者の権利侵害に関するITUC年次世界労働権利指数で強調されているように、最新の指数では侵害件数が過去最高となっている。

しかし、投獄された労働組合員の釈放を求める国際連帯キャンペーンが効果を上げていることは明確である。例えばバングラデシュでは2017年、現地の事業主が奨励する政府の組合組織化取り締まりの一環として、労働組合員35人が投獄された。世界的なキャンペーンによって、政府ならびにバングラデシュから調達しているブランドに圧力をかけた結果、獄中の労働組合員全員の釈放に成功した。

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。

「投獄された同志を支持し、圧制的な政府と、労働者の権利が侵害されている国から調達している多国籍企業の両方に圧力をかけ続ける必要がある。人権デュー・ディリジェンスの対象に労働者の権利を含め、企業にサプライチェーンの侵害に対する責任を負わせる必要がある」