インダストリオール、スリランカで労働者と連帯

2022年12月9日

スリランカは同国史上最悪の経済・政治危機に見舞われている。世界銀行によると、スリランカの経済成長率は2022年にマイナス9%、2023年もさらにマイナス4%になると予想される。

食品価格の上昇率は史上最高に達しており、輸入品の価格は80%上昇した。これはスリランカの通貨の切り下げとともに、労働者に壊滅的な影響を与えている。

商業・工業労組(CIWU)のスワスティカ・アルリンガム会長は言う。

「食品価格が急上昇している一方で、賃金は急激に減少している。労働者は1日2回の食事を取る余裕さえない。スリランカでは栄養失調が深刻な懸念の原因になっている。不十分な食物摂取が原因で、学校で子どもが失神しているという報告がある」

ジャフナ大学上級講師のAhilan Kadirgamarによると、この経済危機は長い時間をかけて醸成されたものだという。現在の状況をもたらした主な原因は、市場開放以降のスリランカ政府の経済政策である。今後1年間の予算に反映されているように、この大変な時期にあってもなお、政府は政策変更の意思をまったく示していない。食糧危機に取り組もうとも、労働者を救済しようともしていない。

今年に入って、政府は軍を使って食糧・燃料危機をめぐる平和的な抗議を弾圧した。スリランカでは、民主的権利と労働組合権が激しく攻撃されている。

髙倉明インダストリオール副会長は次のように述べた。

「スリランカでは労働者の権利が脅威にさらされている。使用者は経済危機につけ込んで労働組合権を弱体化させようとしている。私たちは労働者の権利を守る闘いの最前線に立っているスリランカの加盟組織と連帯している」

インダストリオール加盟組織によると、政府は労働関連問題に関して組合に関与することを拒否している。政府に全国労働諮問評議会の開催を再三要請しているにもかかわらず、まだ開かれていない。

インダストリオールに加盟している自由貿易地区・一般サービス従業員組合のアントン・マークス書記長が述べた。

「労働者と組合は善戦している。スリランカで組合主導の社会運動を起こし、すべての労働者を結束させる必要がある。民主的権利と労働組合権を保護したければ団結しなければならない」

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は次のように述べた。

「労働者は、この危機が始まってから幾多の困難を経験してきた。インダストリオールは、この大変な時期にスリランカの組合と労働者を断固支持している。スリランカ政府に対し、直ちに組合の要求を検討するよう求める」

冒頭の写真:生活費危機に抗議する今年のデモ