ベラルーシは投獄された組合指導者・活動家を釈放せよ

2023年1月19日

ベラルーシの裁判所は、政治的動機に基づいた起訴により、独立労働組合の指導者に最長9年の過度に厳しい懲役刑を言い渡した。ベラルーシの裁判所は、これまでに少なくとも16人の独立組合指導者・活動家に長期刑や自由の制限を宣告している。

ミンスク市裁判所は1月5日、ベラルーシ無線・電子労組(REP)のHennadz Fiadynich元会長(65)とVasil Berasnieu会長代理(72)に厳格体制下の収容所での懲役9年、REP活動家のVatslau Areshka(68)に同8年の刑を宣告した。

3人は2022年4月19日に拘束され、「ベラルーシ共和国の国家安全保障の毀損を目的とする制限措置の要求」、「社会的憎悪の扇動」、「過激派組織の設立または当該組織への参加」(いずれも刑法犯罪)で起訴された。

ベラルーシ国家保安委員会(KGB)は2022年4月、REPを過激派組織に指定し、その活動を禁止した。

2022年12月26日、別の3人の労働組合指導者が「社会秩序に甚だしく違反する行動」で起訴され、ミンスク市裁判所で有罪判決を受けた。ベラルーシ民主労働組合会議(BKDP)のアリアクサンドル・ヤラシュク会長も、「ベラルーシ共和国の国家安全保障の毀損を目的とする制限措置およびその他の行動の要求」を理由に起訴され、その結果、懲役4年を言い渡された。シャルヘイ・アンツセビッチBKDP副会長は一般体制下での懲役2年、Iryna But-Husaim BKDPメディアチーム役員・経理担当は同1年6カ月を宣告された。

ベラルーシはこのような方法で、民主主義と人権を求める独立組合の闘いに対応している。2020年8月の紛糾した大統領選以降、ベラルーシの独立組合は絶えず激しい攻撃にさらされている。例えば、組合事務所や組合員の自宅の捜索、 携帯電話やラップトップの押収、 独立労働組合員に組合脱退を求める圧力、 独立労働組合員の解雇、 そして最終的に2022年7月の独立組合4団体とその連合団体の清算である。

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。

「合法的な結社の自由の権利の行使を理由とする労働組合指導者に対する有罪判決は、結社の自由の原則の重大な侵害となる。特に個人の自由と安全保障に対する権利、独断的な逮捕・拘留からの自由、言論・表現の自由、集会の自由、公正な裁判を受ける権利、労働組合財産の保護に対する権利に関して、世界人権宣言と市民的および政治的権利に関する国際規約に正式に記された市民の自由が完全に尊重されなければ、労働組合権は完全に意味を失う」

ベラルーシで組合指導者を投獄する最新の判決が出たあと、インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、欧州委員会、欧州議会、欧州理事会およびILOに書簡を送り、緊急行動を要請した。例えば、ベラルーシの独立労働組合運動への支持を公に表明すること、 ベラルーシ当局が逮捕された労働組合員を無条件で即時釈放し、人権の尊重を要求している独立労働組合や個人の弾圧をやめるよう要求することである。

インダストリオール・グローバルユニオンとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、ILOの条約勧告適用専門家委員会(CEACR)の要請を繰り返し、「拘留中の労働組合員全員の釈放と、平和的抗議や争議行為への参加に関連するすべての起訴の取り下げ」を求めている。