ベルリンでグローバルな対話に弾み

2019年11月12日

11月8日にベルリンで企業の社会的責任と労使関係に関するインダストリオール・グローバルユニオン会議が開催され、全世界から多国籍企業16社と労働組合14団体の代表が集まった。

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長が開会の辞で次のように述べた。

「この会議をベルリンで開くことに決めたのは、世界第4位の経済を誇るドイツが共同決定制度と労使関係尊重によって成功を収めているからだ。ドイツは他のすべての国々のモデルとなっている」

連邦労働社会問題省のビョルン・ボニング次官が挨拶に立ち、特に世界中の国々がデジタル化や気候変動に起因する新たな課題に直面している中で、強力な社会的対話には強力な組合の支持が必要だと述べた。同次官は、進展を達成するために国際制度の尊重を求めた。

この種の会議が開かれたのは初めてのことで、建設的な労使関係、グローバル枠組み協定、グローバル・サプライチェーンの管理をはじめ主要なテーマに取り組んだ。

会議を支援したドイツの組織フリードリヒ・エーベルト財団のミルコ・ヘルベルクがこう語った。

「私たちは労働者をコスト要因ではなく、不可譲の人権を有する市民とみなしたいと考えている。労働者には労働における権利を享受する権利がある。特にデジタル・トランスフォーメーションに関して取り組まなければならない目下の課題を調べる際、賢明な企業は労働者を意思決定に関与させている」

エニ、H&M、インディテックス、ルノーおよびソルベイの代表全員がパネル・ディスカッションに参加し、その模様はインダストリオールのフェイスブック・ページでライブストリーム放送された。

全世界に18万3,000人の従業員を擁するルノー・グループは.2013年にインダストリオールとグローバル枠組み協定を締結した。ルノーの労使関係責任者ミゲル・バルカルセルが、同社は欧州・フランス中心の方針を弱めているので、GFA締結は当然の成り行きだと述べた。

「ご存じのように、他の国々や地域の法律や労働条件、社会的対話慣行は大いに異なる。当社がビジネスをするには安定した環境が必要だ。……GFAは最優良事例を共有する条件を作り、問題や紛争が発生したときに、いつ介入しなければならないか予想する機会を与えてくれる」

しかし、北米UAWのトレーシー・ロメロは異なる傾向を指摘。アメリカではフォルクスワーゲンや日産といった企業に雇われた反組合的企業が組合の組織化努力を攻撃しており、これは政府による干渉と相まって結社の自由や人権、労働基準を弱体化させている、と彼女は述べた。

(写真キャプション)

ベルリンでの会議に多国籍企業と組合が集結

他の地域ではファッションブランドのH&MやインディテックスとのGFAが、サプライチェーンにおける結社の自由、労働組合化および労働権の改善に役立っていることが報告された。

ケマル・ウズカン書記次長がこう語った。

「この画期的な会議は、建設的な労使関係が企業の持続可能性に貢献し、労働条件や労働者の基本的権利を改善するための手段として役立つことを示した。相互理解が深まった。労働者の生活を改善するために引き続き社会的対話に関与していく」

IndustriALL

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