ITUC、労働者にとってワースト10の国を公表

2020年6月22日

国際労働組合総連合は年次世界労働権利指数を発表し、世界の労働者の権利と自由の侵害・制限を列挙した。このデータは144カ国の状況に基づいている。ITUCは世界労働権利指数の最新版で、侵害件数が過去7年間で最高に達したと指摘している。

政府・使用者は、団体交渉とスト権の侵害によって労働者の権利を制限し、いくつかの国では組合の登録を妨害して労働者を組合から排除している。

世界労働権利指数2020の調査結果によると、85%の国がスト権を侵害し、80%の国が団体交渉権を侵害していた。

労働者は51カ国で暴力にさらされ、61カ国で独断的な逮捕・拘留を体験し、72%の国々で司法制度の利用を否定または制限されていた。

報告によると、言論の自由を否定または制限している国の数が増えている。この報告書は、政府が労働組合指導者を監視し、独立組合と組合員に不安を広げて圧力をかけようとしているという悪評がいくつかある不穏な傾向についても警告している。

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は言う。

「COVID-19の前でさえ、世界中で労働運動に対する前例のない攻撃と貧富の格差の拡大が見られ、これが新たな世界経済危機を招いた。ITUC世界労働権利指数は、この状況を定量的に反映している。私たちはインダストリオール関連部門における侵害を定期的に報告しており、繊維や鉄鋼、自動車、鉱業の状況はまったく改善していない。しかしCOVID-19発生後、組合員のほとんどが、さらに大きな規模で侵害にさらされている。唯一の反撃方法は、組織化の拡大、組合の強化、グローバルな連帯の促進だ」

侵害状況はバングラデシュ、ブラジル、コロンビア、エジプト、ホンジュラス、インド、カザフスタン、フィリピン、トルコ、ジンバブエで特に深刻であり、今年の報告書はこれら各国を労働者にとって最も危険な国々に挙げている。

情報画像付の報告書全文は、ITUCウェブサイトでアラビア語、英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語の各版を入手可能。