インダストリオール執行委員会、連帯と団結を要求

2020年11月20日

執行委員会は11月19日にオンライン会合を開き、COVID-19パンデミックへの組合の対応が議題に上った。コロナ危機は、グローバル・サプライチェーンがいかに脆弱であるかを再び示している。労働者、特にサプライチェーンの底辺で働く労働者への影響は悲惨かつ劇的である。しかし世界中の組合が、反撃すれば勝てることを示している。

インダストリオールと独IGメタルの会長を務めるイェルク・ホフマンが開会の辞を述べ、パンデミックはグローバル・サプライチェーンの脆弱さを浮き彫りにしていると指摘した。低賃金労働力と環境軽視の組み合わせは持続可能ではない。

「このパンデミックは、すべての人々にとって終息するまで、終息したとは言えない。労働者は生き残れるかどうか心配している。全世界で行動する必要があり、インダストリオールはより公正な富の分配を求めて闘い続ける」

ホフマンは米大統領選の結果を歓迎し、この結果は至る所の右派ポピュリストに強いメッセージを送ると述べた。

「ボルソナーロ、オルバーン、ルカシェンコ――あなた方は余命いくばくもない」

3カ月前にベラルーシで抗議行動が始まってから、グローバルな組合運動は団結し、同国の民主主義を支援してきた。ベラルーシ国民は信じがたい組織力を示しており、労働者は弾圧に負けず民主主義を求めて闘い続けている。

執行委員会は、ベラルーシの独立組合と連帯する決議を採択し、暴力の撤廃、新しい公正な選挙、政治犯全員の釈放、解雇された労働者全員の復職、抗議行動の残忍な弾圧に加担した者の刑事告発を要求した。

国際連帯と団結は、これまで以上に重要になっている。そしてインダストリオール加盟組合は、逆境にもひるまず労働者の権利を求めて闘い続けている。

ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長が、報告の中で数々の問題に光を当てた――先ごろインダストリオール・ブラジルが創設され、さまざまな製造業部門の労働者1000万人を結集させたこと、アルゼンチン議会が第190号条約の批准を票決したこと、ウクライナの組合が結社の自由を損なう労働法案に抗議したこと、インドで政府の反労働者的政策に反対して全国的な抗議が行われたこと、インドネシアの組合が論議を呼ぶオムニバス法に反対したこと、ベラルーシ国民が8月の不正選挙に抵抗して抗議を続行し、激しい弾圧を受けたことである。

「労働組合権を尊重する必要がある。ビジネスと人権に関する拘束力のある国連文書が必要だ。もっと多くの国々がフランスのようなデューデリジェンス法を採用し、多国籍企業にグローバル・サプライチェーンに対して責任を負わせる必要がある」とヴァルター・サンチェスは述べた。

「『パンデミック不当利得者』である億万長者たちは今年4兆米ドル以上も資産を増やしており、グローバル・ユニオンが提案しているように、普遍的な社会的保護基金の資金源となる福祉税を支払わなければならない。回復刺激策によって医療・介護産業を優先し、インフラを建設し、アクセス可能な高速インターネットを確保し、製造組織といわゆるグリーン・リカバリーを維持すべきだ」

パンデミックに伴い、家庭内暴力が増えている。家庭内暴力は家庭で始まるが、仕事の世界に影響を及ぼす可能性がある。執行委員会は、女性委員会が提案した決議を承認した。この決議は全加盟組織に対し、組合員を支援し、家庭内暴力に異議を唱え、使用者が仕事の世界における家庭内暴力の影響を軽減するための措置を講じるよう確保するために、行動を起こすことを求めている。

インダストリオールは、組合員の安全衛生を保護して労働者の権利、雇用および収入を守るために、引き続き政府・企業との対話を進めている。執行委員会は、すべての加盟組織に対し、組合の意見が聞き入れられないときに立ち上がって闘い、キャンペーンを実施する態勢を整え、以下のために結集するよう求めた。

  • 11月25日の女性に対する暴力撤廃の国際デー
  • 11月26日にインドで行われる反労働者的な法改正に反対する全国ストとの連帯
  • 11月27日にアマゾンをターゲットに実施されるブラックフライデーのインダストリオール/UNIグローバルユニオン行動
  • 11月30日にフィリピンの人権を守るために実施されるグローバル・ユニオン評議会の連帯行動デー

執行委員会は、将来の会合に対するパンデミックの影響について議論したのち、来年の大会を完全にオンラインで開催する責任があることに合意した。代議員は、できるだけ早く直接再会したいという願望を表明した。

このパンデミックは、インダストリオール活動のいくつかの面に影響を与えている。参加者は、組織に対するパンデミックの経済的影響をめぐり討議した。インダストリオール世界大会は当初、今年10月にケープタウンで開催の予定だった。残念ながら、パンデミックが拡大し続け、多くの国々で旅行規制が続く可能性があるため、執行委員会は、大会を2021年9月にオンラインで開催することを決定した。