スト権は労働者を保護

2023年2月21日

スト権は結社の自由の不可欠な要素である。スト権は最後の手段だが、それがなければ、労働者・組合には使用者の経済・政治力に対抗して自分たちの立場を擁護する力がない。多くの国々でスト権が攻撃されており、労働組合は抵抗している。

国際労働機関(ILO)の使用者グループと一部の政府は2015年、結社の自由に関するILO第87号条約に異議を申し立てた。この条約は153カ国が批准しており、スト権を支持している。この基本的権利を守るために世界中の組合が抗議した。

この条約があってもなお、スト権は今も世界中で脅威にさらされている。

イギリスでは、労働者の賃金が減少しているにもかかわらず、政府が正当な賃金要求のためのストを制限する法律を推進しようとしている。保守党のリシ・スナク首相が主導する新しい反スト法は、ストライキ中に最低限のサービスレベルを強制することになっている。

この法律は、国民健康保険(NHS)や教育のような主要公共部門で実施される。最低限のサービスレベルが満たされなければ、これらの部門の使用者は組合を訴えて従業員を解雇することができる。英国の組合は、この新しいスト法を労働者の権利と労働組合に対する全面的な攻撃と呼んでいる。政府の新しい制度にもかかわらず、組合は労働者を擁護する方針を明確に打ち出している。

ジンバブエでは、団結権と団体交渉に関するILO第87号条約および第98号条約が批准されているが、政府は両条約に違反する2本の法律を可決した。

可決された2本の法律の1つである医療サービス修正法は、公衆衛生部門のストは72時間を超えてはならないと定めている。組合がこれに従わなければ、オルグは罰金を科せられ、懲役3年を宣告される。さらに、刑法改正法案により、ジンバブエの国家主権や国益を故意に損なったという理由で人々逮捕・起訴することが合法化される。ジンバブエの組合は政府に対し、これらの法律の修正または取り消しを強く促している。

トルコでは、企業が「国家安全保障」に関する政令を、ストを制限する戦略として利用した。労働者と労働組合はこれを拒絶し、最終的に賃上げを達成した。

スト権は労働者にとって基本的な、しばしば最後の手段である。資本主義体制では、労働者を抑えることは交渉プロセスにおける重要な手段であり、その主な目標は労使間の勢力均衡を変えることである。

スト権がなくなれば、政府は争議行為を禁止することができる。ほとんどのストの目的は賃上げと労働条件改善であり、スト権がなくなれば企業の利益が増え、労働条件が悪化する。

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。

「争議行為は、労働者・労働組合が労働者の賃金と労働条件を改善するために利用できる最も重要な手段の1つだ。ストの指示は難しい選択だが、交渉が進展しない場合に不可欠な手段となる。この権利が削減されれば、労働者は駆け引きの余地がほとんどなくなり、民主主義の話はすべて空虚な言葉になってしまう。労働者とスト権を保護し続けなければならない」