南アジアの加盟組織、団結した闘いを呼びかけ

2023年2月23日

インダストリオール・グローバルユニオンのアトレ・ホイエ書記長は、南アジア地域が生活費の上昇と労働者の権利の浸食に取り組んでいる中、この地域を訪問した。反労働者的な労働政策と、労働組合への関与を避けようとする政府の姿勢は、この地域におけるインダストリオール加盟組織の現在の闘いを強調している。

インダストリオール指導部と加盟組織はスリランカ首相と会談し、経済・労働問題をめぐる議論に労働組合を参加させるよう強く促した。これらの問題はスリランカの労働者の生活条件に多大な影響を与えているからである。この会談では、スリランカの加盟組織と世界中の他の労働者の権利保護団体、学者によるスリランカの債務免除の要求についても討議し、インダストリオールはこれを支持した。国際労働機関(ILO)国別事務所長とも、労働者の権利保護と労働条件改善を目指してスリランカで進行中のILOプログラムをめぐり議論した。

書記長はバングラデシュ工業大臣との会談で、船舶解撤場の安全な労働条件を確保するために、バングラデシュ政府による香港条約の批准を求めるインダストリオールの要求を提起した。危険な労働条件が原因で日常的に死者が出ている。香港条約の批准は、この状況を大幅に改善する。

インダストリオール・バングラデシュ協議会は書記長と、バングラデシュのインダストリオール加盟組織間の団結の必要性について議論し、この国の衣料労働者の最低賃金を増やすためのキャンペーンが不統一であることを特に強調した。空前の高インフレにもかかわらず、労働者の賃金は今も8000バングラデシュ・タカ(75米ドル)にとどまっている。政府が前回賃金を見直したのは5年前である。大多数のインダストリオール加盟組織が、最低賃金として2万3000バングラデシュ・タカ(215米ドル)を要求している。

アトレ・ホイエは言う。

「インダストリオールは、労働者の権利を保護する闘いにおいて、この地域の加盟組織を断固支持する。世界中の急激なインフレを考慮して、最低賃金を生活賃金まで増やせとの要求を支持する。各国政府は、職場の安全確保とともに、労働者が適正な生活水準を維持できるようにしなければならない。危険な労働条件が原因で人命が失われる状況を許すことはできない」

書記長は南アジア訪問の最後にインドを訪れ、インダストリオール・インド協議会の会合に参加した。インドの加盟組織は、不安定雇用の根絶、労働者の安全衛生確保、新しい反労働者的な労働法の廃止の必要性について議論した。政府の反労働者的政策に一貫して抗議している加盟組織は、インダストリオールに進行中の闘いへの支援を求めた。アトレ・ホイエはインドの中央労働組合の1つであるインド全国労働組合会議(INTUC)の全国会議にも出席し、大勢の組合指導者を前に演説、インドの労働者の権利を向上させるための彼らの闘いに敬意を表するとともに、より多くの女性と若者を労働組合運動に参加させ、団結する必要があると強調した。