侵攻1年後もなお苦しむウクライナ

2023年2月24日

ロシアによるウクライナ侵攻1年にあたり、インダストリオール・グローバルユニオン、インダストリオール・ヨーロッパ労働組合および両団体の加盟組織は、平和と民主主義、ウクライナ再建を要求した。

2022年2月24日、ロシアの戦車がウクライナに侵入し、ロシアによる隣国ウクライナの本格的な攻撃と占領が始まった。それ以来ずっと、ウクライナは絶え間なく爆撃されている。数百人の子どもを含む何千人ものウクライナ市民と、数万人の兵士が死亡した。正確な人数を確認するのは難しく、ほとんどの推定値は大幅に過小評価されている。数百万人が出国して近隣諸国へ逃れた。

侵攻開始以降、インダストリオールとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、ウクライナ、ロシア連邦、アメリカ、EUならびに国際組織の政策立案者に対し、ウクライナのために安定した平和な結果を確保すべく一層の努力を払うよう促してきた。これを達成する唯一の方法は、このプロセスの焦点を対話と政治的解決に絞ることだ、と私たちは主張している。インダストリオールとインダストリオール・ヨーロッパ労働組合は、ロシア連邦政府にウクライナの侵攻と占領の即時中止を要求している。

ウクライナにおけるロシア連邦による実力行使は、国連憲章第2条の意図的な侵害である。同条は加盟国に、いかなる国家の領土保全あるいは政治的独立に対する脅威や実力行使も控えることを要求している。

寄付のために連帯基金が設立され、世界中の多くの組合が拠出している。ウクライナの加盟組織は、生き残りを懸けた戦いにおける国際連帯を歓迎した。

インダストリオールは2022年5月にウクライナを訪問、加盟組織と会談し、破壊された建物を目の当たりにし、労働者・組合に対する戦争の影響についての個人的な話を聞いた。この訪問の際、インダストリオールはウクライナで活動している多国籍企業に対し、給料の支給継続とその他の物質的援助によって労働者を支援するよう求めた。

ウクライナの労働組合は会合で、同国の状況について悲観的展望を述べた。事態は悪化の一途をたどっている。組合幹部たちは、職場が破壊され、労働者が殺害され、ロシア軍の兵士が職場を占領している実情を説明した。大量の失業が発生し、組合員数が急減している。労働組合員が死者数を把握するのは難しい。だが、組合幹部・役員は組合員の生活のために奮闘しており、国家の再建に取り組んでいる。

2022年6月、欧州連合はウクライナに加盟候補国の地位を与え、ウクライナの労働組合がインダストリオール・ヨーロッパ労働組合に加盟する道を開いた。EU加盟と欧州労働組合ファミリーへの統合の道は、ウクライナで労働者の権利を支持する闘いにおいて、ウクライナの加盟組織に強力な発言権を与える。インダストリオール・ヨーロッパ労働組合とインダストリオール・グローバルユニオンはウクライナの加盟組織を支持している。

ロシアによる占領1年に際して、私たちはウクライナ国民との連帯を堅持する。