労働組合がジェンダー賃金格差をなくすための5つのステップ

2023年3月8日

今日の国際女性デー(IWD)にあたり、インダストリオール・グローバルユニオンは、賃金平等を求める交渉で労働組合を支援するために開発された賃金平等ツールキットを発表した。

賃金平等ツールキット(英語版)

全世界で、女性の賃金は男性より20%ほど少ない(ILO、2022)。多くの国々が同一賃金法を可決し、1951年のILO同一報酬条約(第100号)(批准率93%)も批准しているにもかかわらず、ジェンダー賃金格差は相変わらず根強く見られる。

ジェーン・ピリンジャー(博士)は、賃金平等ツールキットの執筆者である。彼女は賃金平等と職場におけるジェンダーに基づく暴力に関する国際的専門家で、過去35年間、ジェンダー平等をめぐって労働組合と協力してきた。

ピリンジャーは、労働組合がジェンダー賃金格差の解消に取り組むことができる5つのステップを以下のとおりまとめている。

  1. 男女間の賃金不平等、ジェンダー賃金格差の原因、それが重要な労働組合問題である理由に対する認識を高める。
  2. ジェンダー賃金格差の構造上の原因(女性の介護責任負担、女性の仕事や技能の過小評価という重要な問題など)に取り組む。
  3. 賃金の透明性が必要である。データがなければ、組合はジェンダー賃金格差について交渉することができない。組合はジェンダー賃金格差に関するデータを求め、この問題をめぐる交渉戦略を構築しなければならない。
  4. インフォーマル経済の低賃金労働者の問題に取り組むために、法律だけでなく使用者・公的機関との交渉戦略においても、生活最低賃金に関する戦略を構築する。そして、インフォーマル労働者が社会的保護を受ける権利を確保し、自分たちがしている仕事に対する承認を得られるようにする。
  5. ジェンダー賃金格差をジェンダーの質に関する二次的な問題とするのではなく、中心的な労働組合交渉に盛り込むための手段や機構を見つける。この問題は、賃金交渉、例えば労働組合の将来における重要な戦略の中心に据えるべきである。

「このジェンダー賃金格差ツールキット開発の決定は、女性委員会で議論を重ねた結果下された」

「ツールキットが目立って取り上げている同一労働同一賃金と同一価値労働同一賃金に関しては、まだ誤解があることが分かっている。加盟組織に対し、賃金格差をなくすために努力するにあたって、このツールキットを役立てるよう勧める」とクリスティン・オリビエ・インダストリオール書記次長は言う。