第190号条約批准キャンペーンが継続

2023年3月10日

2019年に仕事の世界における暴力とハラスメントに関するILO第190号条約が採択されてから、世界中の組合が同条約の批准を求めて運動している。最近カナダとアイルランドが批准し、これまでに25カ国が第190号条約を批准している。

ウルグアイが世界で最初に同条約を批准した。同国のインダストリオール加盟組織は、ワークショップを開いて条約の内容とそれが組合にとって役立つ手段である理由を説明し、極めて大きな役割を果たした。

フィリピンの組合は政府に対し、ハラスメントとの闘いと同条約の批准を強く要求した。組合キャンペーンで、労働者は「ILO第190号条約批准」と書かれたポスターを掲げ、認識を高めるために「第190号条約批准」という文字の入ったマスクとTシャツを着用した。

インドの法律は、使用者にハラスメント防止委員会の設置を義務づけている。しかし、これらの委員会は効果を上げていない。組合は批准キャンペーンの一環として、効果のある機能的な委員会を求め、労働者の間で条約に対する認識を促している。政府はまだ批准についてコメントしていない。

バングラデシュの組合は街頭で行動を起こし、第190号条約の批准を要求している。政府は批准を調査すると繰り返し約束しているが、何も実現していない。

スリランカでは、組合が第190号条約の批准に関して他の利益団体との対話セッションを実施した。組合は労働者の権利について議論する全国労働諮問委員会に加わっており、批准の重要性を指摘している。前労働大臣は間もなく批准すると誓約したが、現下の政変により、政府は何の動きも起こしていない。

ウガンダでは、組合が政府と会談し、記者会見を開き、第190号条約の批准と国内法化をスローガンに掲げたポスターを使ってメディアキャンペーンを展開している。これらの活動は一般大衆に条約について知らせ、批准の重要性を訴えている。

マダガスカルでは、すべての女性活動で対話が行われ、ILO専門家が参加している。既存の女性関連条項に関するILO比較研究の結果、ソーシャル・パートナーが批准プロセスの開始について合意した。使用者はためらっているが、プロセスは続いている。労働法修正と第190号条約を原文に盛り込むことが提案されている。

ニカラグアの組合は第190号条約を求めて運動しているが、政府の反応は鈍い。

トリニダード・トバゴでは、組合が現行法のギャップ分析を実施し、条約批准を優先課題に掲げている。条約に関するフォーラムが開かれ、組合が発言を求められた。

コロンビアでは、労働組合と政治家が条約に関する公聴会を開き、大統領が条約の批准を約束した。

「インダストリオールは、加盟組織の第190号条約キャンペーンを称賛する。職場におけるジェンダーに基づく暴力とハラスメントは、私たち全員にドミノ効果を及ぼす。組合に対し、各国政府がこの条約を批准するまでキャンペーンを続けるよう呼びかける」とクリスティン・オリビエ・インダストリオール書記次長は言う。

インダストリオールはフリードリヒ・エーベルト財団とともに、訓練モジュール――「Violence. Not in our workplace」というタイトルのジェンダーに基づく暴力に関するモジュール1、2および3を開発した。