ウルグアイがILO第190号条約を最初に批准

2020年1月16日

ウルグアイは世界で初めて国際労働機関(ILO)の第190号条約を批准した国である。この条約は、仕事の世界における暴力とハラスメントが重大な人権侵害になり得ることを認めている。

新しい条約・勧告は2019年6月に国際労働総会で採択された。この条約は、暴力とハラスメントは機会均等に対する脅威であり、容認できるものではなく、ディーセント・ワークと両立しないことを認めている。

ウルグアイ政府は2019年9月に批准法案を議会に提出、2019年12月17日に下院が法案を全会一致で採択し、ウルグアイはILO加盟国として初めて第190号条約を批准した。

「ウルグアイはILO条約を批准した以上、仕事の世界における暴力とハラスメントを防止・排除するために、ジェンダーに対応した包括的・総合的アプローチを採択しなければならない。これは官民両部門、フォーマル経済とインフォーマル経済、都市部・農村部の両方に当てはまる」とウルグアイ大統領府発表の公式声明は述べている。

声明によれば、使用者は法律によって、仕事の世界における暴力とハラスメントを防止するために適切な手段を講じることも義務づけられる。

この批准プロセスは、ウルグアイが第190号条約の対象となる問題のいくつかに取り組むために、すでに法律を制定していたことによって促進された。例えば、職場でのセクシャル・ハラスメント、教師と生徒の関係、女性に対するジェンダーに基づく暴力に関する法律である。

インダストリオール・グローバルユニオンは昨年11月にキャンペーンを開始し、加盟組織に対し、条約の批准と国内法への編入を確保するために協力するよう促した。

ウルグアイのインダストリオール加盟組織は、ウルグアイの中央組合PIT-CNTのジェンダー局を通して、批准プロセスをめぐる三者会談に積極的にかかわった。

ジェンダー事務所代表でUNTMRA組合員のフェルナンダ・セバロスは、このたびの批准についてこう言う。

「私たちはPIT-CNTのジェンダー平等・多様性局から、ウルグアイの第190号条約批准を促進した。私たちは長い間、セクシャル・ハラスメントの問題と職場における暴力のゼロ容認に取り組んできた。ジェンダー暴力に関するワークショップを通して、さまざまな組合の認識を高めるという問題をはっきりと意識している」

「さらに、企業や労働省とともにジェンダー条項に取り組んでいる。第190号条約が批准されたとき、UNTMRAと集会を開いて人々に条約の適用範囲を知らせた。UNTMRA傘下の多くの労働者が職場でセクシャル・ハラスメントに直面しているので、今回の批准は暴力のない仕事の世界を求めて闘ううえで非常に重要だと思う」

マリーノ・バニ・インダストリオール地域事務所所長は言う。

「第190号条約は、職場における差別や不平等と闘うための重要な手段だ。ウルグアイの加盟組織がジェンダーに基づく暴力に取り組むために不断の努力をし、政府が新条約を批准したことを祝福する。これは暴力とハラスメントのない仕事の世界を生み出すのに役立つ。